K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

溜まっていくアニメ

今年の冬から春にかけて一切のアニメを見る気が起きなかったことは以前の日記で書いたけれど、夏以降は少しずつ視聴習慣を取り戻しつつある。
この一年でアニメに対するスタンスが特に変わったということはなく、変化があるとすれば私の体力や生活習慣の歪みであり、それなりに精神的エネルギーを要するアニメ視聴という趣味の優先度が相対的に落ちてしまったものだと考えている。

 

習慣が戻りつつあるとはいえ、流石に数年前のようなモチベーションは再獲得するに至っていない。
毎日、欠かさずに何かしらのアニメを消化する……そんな芸当が可能なのは、深夜アニメに熱中し始めた頃のスタートダッシュ特典ボーナス的な勢いが失われた後には難しく、とりわけ目が肥えて多くのアニメにありがちなパターンに慣れきってしまってからは、興味が湧くよりも先に「なんとなく想像できるから見なくてもいい」などと考えるようになった。
しかし、それでも当分はアニメに新たな発見や快楽、癒やしを求めることができていた。たとえ惰性であるにせよ、長く続けてきた習慣であり、期待する満足感を安定的に摂取できる行為であったからこそ、定期的に新作へと向き合う気持ちを喚起することができていたのだ。
ただ、理由はなんであれ勢いは落ちていく一方で、維持はできても盛り返すことは容易ではない。今でも上手く説明はできないのだが、一年ほど前にぷつりとアニメを欲する心が消失してしまった。

リハビリがてら、前期は無理のない程度に、片手で数えられる程度のアニメを見ることに意識を注いだ。
頑張れば本数を増やすことはできただろうが、娯楽であるアニメを頑張って見るというのもよくわからない。気が向いたタイミングでマイペースに見ていって楽しむことこそが、ベストに近い付き合い方なのではないかと思う。
そういう意味では、いつか余裕が出来たら見ようとリストアップした作品群を網羅するにはまったく及ばなかったけれど、アニメに嫌な感情を抱くことなく再び習慣の中に取り入れることには成功したと言っていいかもしれない。

さて、今期の話になるが、出だしは悪くなかった。数は前期から微増、最新話からそれほど遅れることなく次の話を追うこともできていて、内容的にも満足できる比率が高かった。
ところが、今月に入ってから帰省している関係で、アニメを見ることができずにいる。実際のところPrime Videoを活用すれば場所は問わないのだけれど、スマホの小さな画面で見ることには気が向かず、iPadはイヤホンジャックがないため音声の問題があり、モチベーションというよりは環境が合わないのだ。
まぁ楽しみで仕方ない作品があれば、スマホでもいいから配信されたらすぐに見ようと思うだろうから、なんだかんだ悪くないと評価しつつも、自分の中で最優先と思えるアニメは今のところ存在していない可能性が高い。
おかげで、一週間分くらい世間から遅れる羽目になりそうだ。
前期もそうだったが、何話か溜めてしまうと後回しにして結局そのまま……という怠慢に陥ることが少なくないため、早いうちに着手したいという気持ちはある。ただの趣味だというのに、気分を調整するのが難しく感じられるのは、なんなのだろう。

 

作品批判をするわけではないけれど、私の感性がバグってしまったのか、近年なかなか流行りモノにハマることができないでいる。
人気のあるアニメを見ても、大きく話題にするほどだろうかと逆張り精神が働いてしまうというか、予算をかけて丁寧に作られているのは理解できても、だからといって面白いという感想には直接的には結びつかないというか……雰囲気だけで満たされるなら、どれだけ楽なのだろう。
何も知らない昔の私は、きっと目の前の映像に不満を抱くことはなかっただろうに、今の私は揚げ足を取るように粗を探してしまう。
純粋な私が手放しに褒めちぎっていた作品も、今になって冷静に捉えたら文句を付けたくなるのかもしれない。
なんでもかんでも無条件に楽しめなくなったことは、モチベーションの低下と視聴本数や完走本数の減少に、確かに影響しているのだろう。