K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

感性の基準

ぼちぼち今月からスタートしたアニメを見始めているのだけれど、先に結論から言ってしまうと、面白くない。面白くなりそう、という期待感も持ちづらく、来週からは手が伸びないだろうとさえ思ってしまう。
特定の作品を悪く言うつもりはないのだが、全体的な水準が前期に比べると、あまりにも低すぎるように感じてしまって仕方ないのだ。

 

実際、他者の評価を適当に漁ってみると、同様の感想を抱いている人が少なくないようだ。
もちろん、今期の作品群に充実感を抱いている人もいるだろうし、こればかりは好みの問題だから一概には言えないところがあるけれど、私は無理だった。
頑張って今期のアニメを見るよりも、昨年の秋アニメの中で手を付けていなかった作品を楽しむほうが、よりアニメライフが充実するのではないか。なんとなく、そんな雰囲気がある。

2010年前後の、本当になんでも見ていた時期なら、とりあえず惰性で消化することはできたのだろう。しかしながら、今の私にはそんな時間も体力も気力も備わってはいない。
使えるリソースは限られているのだから、どうせならハズレよりもアタリに使っていきたいう気持ちが強くなっていき……結局、面白さが一定レベルを超えていないと何もする気が起きない。そうしているうちに、いつの間にか次の季節に突入している、なんてことが珍しくないのだ。
長年アニメオタクをやっているわけだから、似たような経験には覚えがある。

一応、1期は見ていたという作品の2期に関してだけは、見始めるエネルギーのコストが少ない傾向にあるため継続できそうではあるものの、1話の時点で面白さの片鱗も感じられなかった新規作品については、もうモチベーションを取り戻すことが難しそうに思える。
前期は久々にアニメへの熱量が戻ってきて、このまま以前のようにアニメ視聴を日々の習慣にできるかと期待していたのだが、やはり自分の中にある過去作の蓄積が無意識に高めのハードルを設定しているらしく、やや過激な言い方をすると、明確に意義を見出だせない有象無象のアニメは視聴対象だと思えなくなってしまったようなのだ。
もし来月くらいになって、話が進んだ段階で特定の新作に世間的な注目が集まっていたら、そこが本数を増やすチャンスかもしれない。
なお、前期のような爆発的なポテンシャルを感じられるアニメは、今のところないのではないかと、ややネガティブな気持ちでいる。

 

不思議なもので、これがたとえば半年前であれば、感想は少なからず違ったものになっていただろう。
別に、クリティカルに心を震わせてくるような作品でなくとも、なんとなく暇を潰すためのツールとして活用する。本意ではないにせよ、そういうアニメとの触れ合い方も「なし」ではなかったはずだった。
ただ、今の私はそれが許せない。あれだけ面白い作品に溢れていた秋アニメの直後だからこそ、中途半端な気持ちで新作たちと向き合えるようにならないのだ。
真剣にアニメを見たい。心からアニメを楽しみたい。結局は相対的なものでしかないけれど、時期によって自分がアニメに求める基準が変わってしまうがゆえに、残念ながら今期のアニメに対しては厳しい見方をせざるを得なかった。

しばらく時間を置けば、この感性のバグは解消されることだろう。まぁ面白くないものは、半年後も一年後も面白くなることはないと思うのだが、必要以上に構えて見るスタイルがスタンダードというわけではない。
来月とは言わないまでも、遅くとも春までには感覚をフラットな状態に戻していきたいと思っている。