K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

実感が湧かず

明後日の土曜日、私は某イベントに参加する。
開催地までは電車を乗り継ぐ必要があり、それなりに時間がかかるため、開始は夕方からだけれど、昼を過ぎたくらいから支度に取りかからなければならないだろう。
実際問題、大した準備は必要ないのだ。こだわりさえなければ服装はいつも通りで構わないし、いくつかのアイテムさえ忘れなければ悪目立ちすることもない。
ただ、何よりも危惧しているのは、私の気持ちが上手くイベントに乗っかれないのではないか、というところだ。

 

近場のスーパーに買い出しに行ったり、あるいは歯医者や美容院といった定期的に訪れている施設に向かったりする日には、特に緊張感を覚えることはない。
日頃の生活パターンにおいては珍しいケースとはいえ、それらは数日から数週間ないし数か月の間に必ず発生するイベントだから、ほとんど余計なことを考える必要はないのだ。
したがって、もちろん出かける準備はするけれど、心の準備は不十分でも問題にならない。

明後日のイベントは、それらの習慣とは異なる性質を持つ。
時間をかけて足を運び、慣れない場所で多くの人に囲まれながら……いや、私自身が囲む側になるわけだが、とにかく現地での状況は非日常という一言に尽きる。
昨年の十月にも経験したし、あるいは2019年の初夏にも参加したわけだから、まったくの初心者というわけではない。それでも、慣れには程遠い特別感がそこには存在している。
何も考えずに向かうことなんて、きっと無理だ。持ち物、入場時間、座席、そしてスタートしてからの動き……あらゆる要素が不安となって私の心を圧迫してくる。
大丈夫だろうか。ミスはしないだろうか。いったい、何を以てミスなのかすら意味不明だが、強いて表現するのであれば、私は自身が納得できる形でその時間を過ごせるかどうかに、ひどく怯えているのだろう。
本来は舞台に立つ演者が抱えるような不安を、ただの客である私が感じてしまうのは、会場の一部を彩るパーツとして捉えているからなのかもしれない。ライブというのは、一方通行ではない、双方向のエンターテイメントなのだ。

当日に問題なく動けるかという話とは別に、私の体力的な心配をあらかじめ考えておかなければならないだろう。
何度も日記に書いてきているように、私は一般的な成人と比較して、極端に、病的なまでに身体が細い。強風で飛んでいってしまいそうなくらい、驚くほど軽いのだ。
当然、パワーは平均よりも遥かに劣るし、長く活動するための体力やスタミナに欠けるところがある。半日も外に出ていたら、すぐに限界を感じてしまうくらいには疲れやすい。
一応、週に一度よりは多いくらいのペースで、かなり激しめのウォーキングを実施しているから、足腰の筋力が皆無というわけではない。ただ、それはあくまで下半身の強化に過ぎないため、上半身に纏わりつく疲労感を克服できるかは今のところ不明瞭だ。
願わくば無事に帰宅できる程度には元気を出したいところだが……このところ栄養失調気味で、体内にエネルギーを蓄積できていないだろうから、すべては当日のコンディションに委ねられている。

 

睡眠不足にならないように、寝起き直後の活力を利用できるように、数日前から少しずつ睡眠時間とタイミングを調整している。
調整、と言っても感覚的なもので、おおよそ土曜日は昼より前くらいに、しっかりとした熟睡から目覚めたいという考えだ。
頭が冴えず、身体は倦怠感に襲われていて、いつ倒れても不思議ではない絶不調……それとは真逆の状態を目指している。

いやはや困ったものだ。
こういう日記を書けば、明後日に迫っていると認識できて、徐々に実感が芽生えてくると思ったのに。
明後日だぞ。明後日。
経験則では、当日になればなんとかなる。しかし、あまりにも実感に乏しい。ドタキャンすることはないとは思うが、このモチベーションの低さは過去にないレベルだから、本当に心配だ。