K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

週末はクリスマス

インターネットをやっていると、この時期はクリスマス関連の話題を目にすることが多いのだけれど、実際のところクリスマスだからこそ何かをする、そこに特別な感情を向ける、といった人間はどれくらい存在しているのだろうか。
幼少期はプレゼントが貰える嬉しいイベントという認識しかなかったけれど、大人になった今の私にとってはなんでもないのだ。

 

まぁ普通の社会人、会社員にとっては、平日であればクリスマスなんて日常と大差ない平凡な一日ということも珍しくないのかもしれない。
しかし今年は土日であるがゆえに、例年よりは特別な、何かしらの予定を想定している人が少なくないのではないかと、つい思ってしまう。

正直に言うと、私は他者とのコミュニケーションというか、関係性というか、日頃から連絡を取り合ったり仲良く遊んだりする相手がいないので、具体的なイメージが湧きづらいところがある。
簡単に想像できる「クリスマス」らしさは、すべて創作物から得たテンプレート的なパターンに過ぎないのだ。あるいはTwitterなどで調べると出てくる、真偽不明の伝聞情報くらいのものだろう。
たとえば恋人との関係であったり、食事の予定であったり、そこから連なる諸々の行動のいくつかについて、なんとなく抽象的な像を頭の中に思い浮かべはするものの、それを実際に経験したことがあったり今年も予定が入っていたりする別人種の感覚と比べたら、クリスマスというものへの認識は雲泥の差があるに違いない。
そういうわけで、私のクリスマスに対する解像度は極めて低いと言っていいだろう。

本当に、本当に都市伝説だと思っているのだ。
いや、現実に起こっている事象なのは理解しているが、華やかで煌びやかなクリスマスという一大イベントの舞台が、あまりにも私の生活とはかけ離れすぎているために、私個人のリアルにおいては著しく現実味に欠ける出来事という話になるわけで、それはすなわち都市伝説と遜色ない、という考え方にならざるを得ない。
己の選択によっては如何様にもクリスマスの魅力を自身に引き寄せることができると思う人もいるだろうが、過去を振り返ってみると前向きになれるチャンスを与えられたことはなかったように思うし、これほどまでに内向性に特化した性格に精神が成熟してしまった以上は、今のところ想像上のシチュエーションを自力で生成するのは、ほとんど不可能に近いだろう。

幸いなことに、私はTwitterを活用した他者とのコミュニケーションすら真っ当に実現できていない。端的に言うと、タイムラインというものを構築していない。
フォローしているのは企業アカウントや公式アカウントくらいで、個人の相手がいないのだから当然の話なのだが、クリスマス当日に妙な情報が視界に入ってくることはない。
せいぜい、トレンドに浮上している気になったワードを踏んでしまい、見たくもないツイートに時間を使わされるリスクが潜んでいるくらいだろう。
だからこそ余計に、ますます理想的なクリスマスの一面が非現実化するのだ。身近な存在から「リアル」を見せつけられることもない。いったいどこの世界で発生している出来事なのか、私は観測する術を持たない。

 

似たケースを挙げると、バレンタインにも同様の感覚を体験する羽目になるわけだが、どちらかと言えば近年はソーシャルゲームのイベントというイメージが強いかもしれない。
キャラクターが特別な衣装を身に纏い、特別なストーリーでわちゃわちゃしているのを楽しむ。
現実の生活に一切の変化は生じないため、私には無関係だという気持ちが強いけれど、ゲーム内で盛り上がる分には決して悪いイベントではない。
逆に言うと、ソーシャルゲームさえプレイしていなければ、季節感のあるイベントを認識することさえ滅多にないというのが現実であって、考えれば考えるほどに、現実世界における「イベント」とはなんなのだろうと深みにハマっていきそうな恐れがある。

せいぜい、家族で集まってチキンやケーキを食べることで、なんとなく雰囲気を味わうくらいのことしかできないのだ。
まぁ今週末は競馬のクライマックスということもあり、クリスマスどころではないかもしれないが。

ちなみに週末の予定を書いておくと、特に私がクリスマスに対して特別な感情を抱いているわけではないのだが、一時的に帰省することにした。
というのも、一昨年の聖夜は隣人の部屋が騒々しくて仕方なく、睡眠不足からの体調不良に陥れられたという苦い経験があるため、土日でわかりやすく迷惑を被りそうな今年は、落ち着いて眠れる実家に移動することで
、不愉快な騒音を耳に入れるリスクを根本から回避したいというわけだ。