K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

集中力調査

厳密には前日の話になるのだが、夕方から翌朝にかけて、とある行動を休みなく継続して実施してみた。
してみた……と言うには、あまりにも突発的な計画性のないチャレンジではあったのだけれど、おかけで現在の私が発揮できる集中力の強さや長さ、そして力尽きるまでの体力について、感覚的ではあるが把握することができたように思う。

 

緻密な判断力が要求される繊細な作業に臨むにあたって、集中の質は追求しなければならない。
なるべくミスなく、より良い結果を得るためには、今まさにエネルギーを費やしている……という、そんな感覚が肝要なのだ。惰性で打ち込んでいるばかりでは、思ったような展開を作り出すことは難しい。

実際には半日以上という、身体に強烈な負担を強いる形になってしまったけれど、それでは質の高い集中力がどれだけ持続したかというと、おおよそ2時間程度であることがわかった。
詳細なデータを取れるわけではないから断言はできないものの、ざっくり時間別の結果を振り返ってみると、開始から2時間前後までが満足のいく内容で進めることができており、それ以降は急激にパフォーマンスが落ち込んでいた。
まぁ食事やトイレなどの、わかりやすい休憩を挟まずにぶっ続けだったので当然というか、単に私が悪いだけなのだけれど、上手くいかないことに対してムキになり、ますます失敗を重ねるという無能の極みみたいな挙動を繰り返してしまったことは反省しなければならない。

6時間程度が経過してからは、思うような結果が出なくなっても大してショックを受けず、流れ作業のように次のセッションへと移っていた。もはや細かい思考は放棄して、結果を残すことよりも特定の作業に取り組むこと自体に意味を見出そうとしている状態だ。
現実的に考えて、今回の行動に大きな意味はないのだけれど、しかしながら最近の私は眠気に負けて何もできない日が増えていたこともあって、無駄でもいいから体力を使って何かをしているという形に喜びのようなものを感じてしまったのかもしれない。
次の日の朝になって、いい加減に終わりにしようと思った時には、やりきった感と後悔が半々といった形で心の中に広がっていた。
その一日を単体で回顧すると本当に時間の無駄でしかなかったけれど、長い目で見た時には悪くない試行であったと思うことは、かろうじて可能であるような気がする。

 

反動は、確かにあった。
それはもう、ぶっ続け作業なんて不健康を招く最も効率の良い手段のひとつであるから、具合が悪くならないほうがおかしいのだ。
まず、食べていなかったせいで軽く1kgは痩せてしまった。丸一日、食べずに集中しているだけで簡単に痩せられるのだから、ダイエットに苦しんでいる人間の気持ちを理解することからは、またしても遠ざかってしまった感覚だが、それはともかくとして、これ以上に軽くなるのは命に関わるから早々に食事へと向き合わなかればならない。
そして、昨日は午前中から起きていたので、実質的な徹夜作業を敢行したに等しいのだけれど、今日は今日で午後に外出予定があったから、しっかり休む時間を確保できなかった。
極限まで身体を削る経験をした上で、元のコンディションに回復するまで眠っているわけにいかなかったということは……まぁこれは連日のように夜中まで残業続きの多忙な会社員と比べたら小規模であるのだけれど、やっていることは非常に近いと言える。
数日かけて眠りの質を高めていかなければ、しばらく調子の悪い日々が続くことだろう。

取り組み自体は面白かったが、集中力を欠きながら没頭している時の私は異常そのものだったので、もう一度やろうとは思わない。
たまに、短時間の集中できるタイミング限定で挑むことは吝かではないけれど……やはり基本的には時間の無駄でしかないのだ。
それにても、ここまで書いてきて、それがどんな行為であったのか明らかにしていないのは気味が悪いような気もするが、あえて曖昧にしたまま終えることにしよう。
誰かに読ませるためではなく、自分のための日記なのだから、わからなくなるということはない。