K's Graffiti

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とある発表を見て

将来的な楽しみとなる「生き甲斐」を、人はそれぞれの形で日々の生活の中から見出しているとは思うのだが、対人交流の少ない私にとっては新しい作品の発表がそれに該当することが多い。
特に、以前に楽しませてもらったコンテンツの続編や、オリジナルの映画化といった、アニメという形態で新しい物語が見られるということが明らかになる瞬間は、独特のわくわく感を覚えるものだ。

 

まだ制作が発表されたというだけで、内容に関わるヒントを得ることはできていないから、特に深々と語れるわけではないのだけれど……今夜に公開された情報の中から、個人的に期待感を高めて楽しみに生きていけそうな作品について、今日は少しだけ触れることにしたい。

まずは、なんと言っても「ウマ娘」のテレビアニメ3期の発表だ。
昨年の春にゲームがリリースされて歴史的なスタートダッシュを決めたのは記憶に新しいけれど、それ以降のコンテンツ展開、様々な企業とのコラボレーションなどを経て、いまだに幅広い層に支持される人気コンテンツとなっていることは疑いようがない。
そして、その大ヒットのきっかけとなった要素の一部として無視できないのが、昨年の年明けから放送されていたアニメ2期だと私は考えている。
もちろん、ゲームにおける緻密な作り込みやシナリオの魅力がユーザーにウケたことが最大の要因ではあると思うけれど、競馬という一大趣味との橋渡しを果たしたのが1期も含めたアニメシリーズと言っても過言ではないような気がしているのだ。
世界観や主要キャラクターを知るのに適した1期と、真剣にレースへと向き合うスポ根ドラマとして感動要素を強化された2期を見ることで、すっかり私はウマ娘という概念の虜になってしまった。

今ではコンテンツの主力がゲームとなってはいるものの、流石にリリース当初の勢いは落ち着いてきた感がある。他のゲームとの比較で相対的に見れば、相変わらず売上は最上位に位置しているとはいえ、本質が育成ゲームである以上は同じ作業の繰り返しになりやすく、多くのプレイヤーは始めた頃のように毎日何時間も、というわけにはいかなくなるものだ。
これだけの巨大コンテンツになれば、当分は安泰だと思いはするけれど、それはそれとして今後の盛り上がりや人気を左右する正念場に差し掛かかりつつあるのではないかという雰囲気は、一人のユーザーとしてそこはかとなく感じている。

大規模ライブや月に一度の生放送における新情報の発表では、主に新キャラクターや新機軸の追加に期待が寄せられているものと思われるが、必ずしもサプライズが待っているわけではない。我々は傲慢だから、次から次へと新しいものを欲するのだ。用意がなければ文句を言う。
そんな中で出てきた3期の制作発表は、来年や再来年に向けた期待感を高めるのに、決して悪くはない情報だったように思う。
まぁそもそも、あれだけ売れた2期とその後の爆発的なヒットの状況から、作らないほうが不思議とさえ感じていたくらいなので、もらや待ちに待ったというより待ちくたびれたくらいの気持ちなのだが、もうしばらく待てば再び大きく盛り上がれるタイミングが到来することが約束されたというのは、各々のモチベーション維持に大きく寄与することだろう。

さて、アニメの続編ということで気になるのは、いったい誰を主役に据えて描くかという点だろう。
1期はスペシャルウィーク、2期はトウカイテイオー、そして来年の春に公開らしいナリタトップロードを中心としたWebアニメの制作は既に発表されていたが、それとは別になる3期では誰になるのだろうか。
チーム・スピカの中でまだスポットが当たっていないウオッカダイワスカーレットか、あるいは成長したキタサンブラックサトノダイヤモンドの周辺世代がテーマになるのか……ネット上では好きなように議論が交わされていて結構なことだと思うが、いずれにせよ現状のままでは役者が不足しているような感じがするので、今後の追加キャラクター次第なのではないかと個人的には思っている。

2期の出来が良すぎただけに求められているハードルは高く、そして自由に扱えるキャラクターや関係性に制限があることからシナリオ構成の難易度は極めて高いだろうが、私はアニメ制作陣を信用しているため、首を長くして楽しみに待ちたい。

 

もう一つの気になる発表は、SAOの完全新作映画だ。
ちょうど原作内におけるSAOの発売日を迎えて、アニメとして十周年となるタイミングでの発表だから不思議ではなかったけれど、先日には外伝となるプログレッシブの続きが公開されたばかりだから、この立て続けの供給はコンテンツファンとしては嬉しい限りだろう。
現実的には、完成するのは来年の後半か再来年の前半くらいにはなると思うので、こちらも気長に待つ気持ちが重要にはなってくるが、アリシゼーションという大作の長期的な放送を終えて一段落していたところだから、また新しいアニメが見られるというだけで喜ばしいのだ。

私は原作を読んでいないので、実のところ今後の展開は何も知らない。
はたしてアリシゼーション以降の原作のアニメ化になるのか、それともオーディナル・スケールのような劇場版として独立した物語になるのか……まぁ個人的にこだわりはないため、どちらでもいいと思っている。大きなスクリーンで迫力ある映像を楽しめるのであれば、SAOに関しては満足できてしまいそうだ。
逆に言うと、長々と続編をテレビシリーズで続けるということになると、今の私には厳しいかもしれない。
昨日の日記でも書いたように、近年どうにもアニメに対するモチベーションの低下が見られるため、心に刺さるオリジナルアニメでもなければ、見ることに苦痛を覚える可能性があるのだ。
妙な義務感を覚えなくて済むという意味では、制作発表が劇場版でよかった。

 

それ以外で気になったこととしては……トレンドに『天気の子』が上がっているので、軽く書いておこう。
もうすぐ公開される『すずめの戸締まり』だが、なるべく早いうちに観にいこうと思っている。
最速で劇場に足を運ぶほどの熱意はないけれど、モタモタしているとTwitterなどでネタバレを目にしてしまうリスクが高まるし、流石に注目作だけあって気になってはいるのだ。我慢する意味もない。
観たら、きっと当日か翌日には感想の記事を書くことになるだろう。期待しすぎないようにはするつもりだが、少なくとも、何かしらの感想を書き残したいと思えるだけのエネルギーを引き出してくれる作品であるはずだという程度には期待している。

それにしても、こんなにも将来に希望が持てない世の中だというのに、不思議と生き甲斐は増えていく。
娯楽に生きることでしか、人として正しい道を歩めないのかもしれない。