K's Graffiti

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SAOP星なき夜のアリア感想

昨日の夜遅くの回になるが、10/30から公開されている『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』を観てきた。
まず、言いたいことはたくさんあるのだが、一言にまとめるなら「思ってたのと違う」という感じになるだろう。
いやいや、こんな風に書いてしまうと、下げているように見えるかもしれないが、実は真逆を意味している。というのも、事前の期待感は大して抱いておらず、新キャラの行く末はどうなるのだろうという妄想をする程度のものだったから、あまりにも面白い内容に圧倒されてしまったのだ。

 

先にやや否定的な表現から入ると、本作の半分くらいはテレビアニメで放送されたSAOの序盤を焼き直したものだ。
オリジナルはキリトを主人公として進めていた部分について、ヒロインであるアスナ視点に変わって新たに描写が再構築された映画ということになる。
大筋は知っているのだから毒にも薬にもならないだろう、なんて甘い考えを持っていたのだが……いやはや、驚いた。この作品の魅力はそんなところにはないのだ。
とにかく期待をしていなかった影響が大きい気はするのだが、不意打ち的に私に刺さるポイントが多すぎて、とても珍しい感動の仕方をしてしまった。

あまり書きすぎるとネタバレになるから控えたいところではあるけれど、これだけは言いたい。
アスナと、新キャラのミト。この二人の関係性が本当に尊いのだ。心の底から。最近の表現で言うなら「てぇてぇ」というやつに違いない。二人の会話を見ているだけで感謝感激というやつで、この時だけは普段クールな私もキモオタクとして破顔せざるを得なかった。

また、これは体感の話になるのだが、キリト視点よりもアスナ視点のほうが導入が丁寧に作られていた印象で、SAO世界に対するワクワク感や、戦いの緊張感、そこで生きていくということの臨場感が非常に高いレベルで表現されていて、知っている話なのに約十年前に楽しんだ純粋な心を取り戻せたような感覚にすらなれた。
そのおかげで、一時間半以上ある上映時間が一瞬で過ぎ去ったような錯覚にすら陥った。没入感は最近に観た映画の中ではトップクラスと言ってもいい気がしている。
これまでにアニメ化されたシリーズを全部視聴済みだからこその満足感なのか、初見でも大丈夫な構成になっているからなのか、やや判断が難しいところではある。しかし、目が肥えているはずの私がうっかり絶賛してしまうくらいには、SAOが好きな人間にお薦めできる作品なのは確かだろう。

上にも書いたように、個人的に刺さるシーンがいくつもあった。それゆえ、減点方式で評価するにしても100点に近いと答えるし、加点方式なら勢い余って5億点といったところでろう。
もう少し観ていたかった。上映後にこんな感想が出てくるのは本当に稀なことで、自分でもびっくりなくらいだが、それくらいに物足りなさすらあったのだ。
来年、おそらく続編が公開される予定みたいなので、今度はしっかりと期待して待つことにしよう。

 

特典

特典のポストカードはアスナ。凛々しくかっこいい。
ミトならもっと嬉しかったけれど、特典ガチャをする気はないのでTwitterで探して満足することにする。