K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

冷蔵庫で過ごす

今日はクリスマスイブイブぶりに自宅へと戻ってきたのだけれど、空けていた数日間に起きたちょっとした変化に、しばらくしてから気づくこととなった。
寒いのだ。いやいや、何を当たり前のことを、思うかもしれないが、本当に寒いのだ。
帰省する前と比べて、日中も夜間も大して外気温は変わっていない。にもかかわらず、室内の冷え方が私の許容レベルを超えてしまっている。

 

実家の温もりに慣れてしまって、私自身が寒さに弱くなったという可能性も否定はできないけれど、室温計を見ていると、どうやらその限りではなさそうに思える。
先週までの記憶を頼りにすると、室内の温度は暖房稼働時で21℃前後、切ってからは徐々に低下するも17℃くらいで下げ止まり、ほとんどは18℃台を維持していたから、着込むことでギリギリ冷気を我慢できていた。
それが、今日は暖房を動かしても20℃台までしか上がらなかったし、エアコンを止めたら急激に冷え始めて、あっという間に15℃台まで転落した。

思うに、家を空けていた数日のうちに、部屋の隅から隅まで、天井や床やあらゆる壁が熱を放出しきってしまったのだろう。
ずっと在宅であれば当然、時間帯によっては暖房を使って温度を上げることになる。最近は節約意識で短時間になってはいるものの、定期的に快適な気温へと戻すことによって、空間全体の熱は維持できていたのかもしれない。
しかし、ここ数日は冷えっぱなしになることを許してしまった。部屋が芯まで冷えきったことで、多少の暖房では以前の暖かさを取り戻すことができなくなったに違いない。

そういえば、夏にも同様の事象があったことを覚えている。
あの時は冷気ではなく熱だったが、冷房を動かしていなかった数日間で部屋に厄介な熱が溜まってしまい、ちょっと冷房を使ったくらいでは根本的な暑さが拭えなかったのだ。

最悪、冬の寒さは布団に潜っていれば凌げるとはいえ、ベッドの上では眠る以外の選択肢に乏しい。
日中は外気温が上がるから大丈夫だとは思うけれど、夜の冷え込みはどうすることもできない。変わらず電気代を節約するのであれば、数日かけて部屋全体の熱を元に戻していくしかないのだろうか。
主に深夜帯が活動のメインとなりがちな私にとって、この環境は非常にシビアと言うしかない。やはり冬は苦手だ。

 

冬の寒さは着込めばいいが、夏の暑さは対策できない。そんなことを言う人間がいる。
私には理解できない。むしろ逆だろう。
夏なんて、仮にエアコンがなかったとしても水分摂取さえ怠らなければ死ぬことはない。まぁ厳密には塩分云々という話もあるが、とにかく対策が簡単なのだ。
冬は、一方的に熱を奪われ活動力の低下が起こる。ひょっとすると、全身に肉を纏っている健常者なら、暑さと寒さの天秤なら後者のほうがマシという判断になるのかもしれないが、骨と皮と内臓ばかりで筋肉も脂肪も最低限しか身につけていない私にとっては、暑さは大して気にならず、寒さこそが何よりも生命活動の敵としか思えない。

地域によっては記録的な大雪に見舞われているということを、実家のテレビで知った。普段はニュースを見ないから、知らなかった。
ずっと引きこもっていたら、こうはならなかっただろう。一時的に家を空けたことで、本格的に冬が到来していることを実感する私だった。