K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

水分摂取と飲み物の話

昔から私は、あまり水分を摂らない生活を送ってきた。
一般的には一日に最低2Lくらいは必要らしいのだが、私の場合はどう計算しても、平均すると一日あたり1L前後に落ち着きそうなので、結局のところ目安というのは生活スタイルと個人の体質次第で大きく変わるということになる。
そういう意味で私は、普通の人よりも比較的、飲まなくても平気な人間なのだ。

 

飲まなくても平気とは言っても、まったく飲まなければ死んでしまう。当たり前のことだが、身体を構成している要素の半分以上が水分であるのだから、定期的な水分摂取からは逃れられない。
季節によって必要量に違いはあるけれど、食事に含まれる水分に加えて、夏場はコップ3杯、冬場はコップ2杯くらいあれば、滅多に異常を感じることはない。
これは終日、在宅時の話なので、外に出て汗をかけば、その分は増えることになるけれど、私は基本的に外出しないため、そうした例外は省いて考えている。
たまに、睡眠時間が長くなったり、食事を怠ってしまったりするのだが、そういう日は摂取量が減るため、場合によっては頭痛を感じることがある。身体が伝えてくれる脱水症状のサインだ。
水分摂取に積極的ではないというだけであって、別に苦行を身体に強いているわけではない。理由もなく頭痛を放置している意味はないのだから、必要だと思えば普通に飲む。
ただ、異常事態に陥るリスクを感じられない平常時においては、水分摂取の機会は決まったタイミングに限られていると言っていいだろう。
一日二度の食後、コップにお茶を注いで、それを数時間かけて身体に取り込んでいく。そうやって、これまで生きてきた。

今日は起きた瞬間から、なんだか変だった。異様に喉が渇くのだ。
喉が、というよりも口の中が、というほうが適切な表現だろう。一切の唾液は出ず、舌が口内にへばりつくような気持ち悪さがあった。
幸いにも頭痛は発生しなかったのだけれど、これは明らかに水分が不足しているとわかった。口の渇きも、異常が起きていることの明確なサインであることに違いない。
ただ、寝起き直後というのは普段から食事を実施するため、自然と水分を取り込むことになる。いつものように、もはや味わうことすらしなくなった、慣れきったメニューを胃に放り込んでいく。食事に関心がないからこそ成立する食生活であり、常人ならとっくに発狂していることだろう。
さて、一定の水分補給を終えた私の身体がどのような反応を示したかというと……しばらくは何も問題はなかったのだが、数時間が経過すると再び不慣れな喉の渇きを感じるようになった。
そういえば、コップが空になるのがいつもより早かったような気がする。昨日や一昨日と食事内容や生活リズムに大きな変化はないというのに、不思議なものだ。
原因は不明だけれど、どうやら今日の私は水分が足りていないらしい。あまり気は進まないものの、いつもより多めに摂取することにした。

これを書いている現在、コップに注いだ追加のお茶も飲み干してしまっているのだが、奇妙なことにまだ身体は満足していないような感覚がある。
もう少し飲みたい。これは己の意志というよりも、身体が発する本能的なものに近い。
本当に珍しい一日だ。ただでさえ私は欲が少なく、普段から何かを求めることなんてほとんどないというのに、しかもその対象が水分だなんて。
我慢しても仕方ないし、そもそも不健康だから、この違和感が消失するまで好きなだけ飲んでやろうかと思いはするものの、過去に経験の少ない事態であるだけに、明日また同様の事象に悩まされたらどうしようという若干の不安も感じつつある。
もともとの摂取量が極端に少ないのがおかしいのであって、それを標準的な水準に引き上げればいいだけではあるのだが、慣れていないから、つい忘れてしまいそうだ。

 

ちなみに、私が口にしている水分というと、以下の4種に限られる。
まず、最も飲んでいるのがお茶だ。特に緑茶が多いけれど、麦茶や烏龍茶になることもある。
幼少期から「飲み物」というと、まずお茶だった。お茶さえあれば生きていけるとさえ思っている節がある。

次に多いのはコーヒーだろう。もちろん無糖だ。
カフェイン目的というわけではないけれど、起きて間もない頃の冷たいコーヒーは、なんだか全身に沁みるような快感が得られる。
基本はコップ1杯で、たまに飲まない日もあるから、平均すると150ml程度だろうか。
余談だが、どうにも甘ったるい飲み物が苦手なので、私は糖質の多いジュースや炭酸飲料をまったく口にしない。そもそも炭酸自体が苦手だから、たとえばコーラやサイダーを飲めと言われても、断固拒否するくらいだ。
コーヒーに砂糖やガムシロップを大量に投入する人間を見ていると、味覚の個人差というものを感じないわけにはいかない。

牛乳は、そのまま飲むということはないのだが、ちょっとした調理に使ったり、シリアルフードにかけたりすることが多い。
冷蔵庫に牛乳が入っていないと、ただでさえ狭い食事の幅が失われてしまいかねないので、私がスーパーで購入する数少ないマストアイテムとなっている。
胃腸の働きを正常に保つためにも、そしてカルシウムほか必要な栄養素を満たすためにも、貴重な飲み物なのだ。

最後に、野菜ジュースだ。
これは一般的な野菜ジュースではなく、トマトベースの甘くない野菜ジュースのことを指す。
どうにもコスパを極限まで追求した食生活を続けていると、野菜というのは高すぎて常食対象から外れてしまいがちなのだが、それでは栄養面に偏りが出てしまう。
そこで頼らざるを得ないのが野菜ジュースなのだが、普通の商品では糖質過多で、上に書いたように甘い飲み物はNGなので飲むことができない。
だから私は、なるべく糖質の少ないドロドロしたものを選んでいる。
もちろん、野菜ジュースにする過程で、いくつかの重要な栄養素が失われているという事実は知っているけれど、何も飲まないよりはマシだろうという判断だ。
お茶とコーヒーと牛乳以外で飲むとしたら、という意味では悪くない選択肢だろう。

現状、飲み物に起因する健康面での問題は、健康診断の尿検査や血液検査などからは見つかっていないため、特に不都合さえなければ今後も常飲する飲み物を変えることはないだろう。
つくづく、自然な選択が不健康とは真逆の方向性なので、このまま病気とは無縁でありたい。