K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

石の貯蓄が趣味

ソーシャルゲームにおける万能通貨である「石」の使い方というのは、人それぞれ方針が異なると思う。多数派なのか少数派なのか知らないけれど、私は極力、使いたくないタイプだ。
大半の人間にとって主な使い道はガチャになるはずなのだが、基本的に私は天井を覚悟できる場合を除いて、まったく回さない。
「石」に対する捉え方が、現実の金銭に対するものと似ているのかもしれない。

 

性格によっては、30連か40連できるくらい増えていることに気づくと、我慢できずに回してしまうということがあるらしい。
後先を考えず、とにかく刹那的な快楽を追求する短絡的な思考回路は理解に苦しむ。なぜなら、長い目で見ると明らかに損を生んでいると断言できるからだ。
ソシャゲのガチャというのは、残念ながら全ピックアップが等しい価値を持っているわけではない。ゲームシステム上、どうしても強いキャラ、弱いキャラという風に分けれられてしまう。
はたして、効率だけを追い求めるプレイスタイルが純粋な満足度に繋がるのかという疑念はあるけれど、身も蓋もない話をすれば、弱いキャラはスルーして強いキャラを手元に揃え、ゲーム内コンテンツにおいて確実な成果を上げていったほうが、モチベーションを長続きさせられるのではないかという考えが根底にある。
まぁゲームなのだから、その時々で楽しければ正義という見方もできて、たとえ無駄に石を浪費したとしても、本人が満足できているのなら悪いことではないとも思っている。
誰もが石油王ではないのだから、このあたりの判断は各々が最も納得のいく形にしてゲームと付き合っていくべきなのだろう。

なるべく温存しておいて、ここぞという時に解放する。複数のピックアップであったり、重ねる必要があったりすると、それでも狙い通りに引けるとは限らず厳しい世界ではあるのだが、数天井分の余裕があれば多少の下振れは許容できるのだ。
何しろ、ソシャゲのガチャはリアルマネーを投じながら回すには、非常識な狂ったレート設定となっている。十分な無償石を確保できていないと、感覚が麻痺しているイカれた人間は文句を言いつつも大きな出費を受け入れ、そうでない真っ当な人間は我に返って引退することになる。
金を使うこと自体が快感という人もいるかもしれないため、ここでも何が正義で何が悪という話にはならないのだが、どう考えても日頃の節約が重要という点は間違いがないだろう。

長くゲームを遊んでいれば、ガチャの引き時の見極める感覚が身についてくる。
①絶対に確保しなければならない
②できれば持っておきたい
③引いておけば使える場面があるかもしれない
④引かなくていい
大まかな基準としてはこんなものだろう。

新規実装されるキャラクターのほとんどは③に該当している。たまに②や④があって、数か月に一度くらいの間隔で①のターンが来るのだ。
この①の性能というのは、ある程度ゲーム知識があれば即断できるほど圧倒的なので、迷うことがない。己の意思に関係なく、ゲームを続けるなら否が応でも引かなければならないという感じになってしまう。
②については悩みどころで、所持していることで確実に自分の戦力は向上するはずなのだけれど、それがなければ最前線で戦えないほどの必須級でもないという、なんとも微妙な位置付けだ。将来的なガチャで必要になるであろう石を差し引いた上で、なお余裕が見込めるようなら消極的な姿勢で引きにいきたいし、やや怪しい気がしたら渋い顔をしてスルーすることになる。
③や④は、よほど好きなキャラクターでないなら考えるまでもない。このあたりの実装に釣られていたら、無償石を残しておくことなんて不可能だろう。

 

以上の考え方は、私の運が悪いという前提に立ったものだ。
欲しいと思ってガチャを回して、たった数回で手に入るのであれば、もちろん実装される度に石を突っ込んだほうがいい。
実際にはそうではないから、下手をするとすり抜けすら出ずに天井まで連れていかれることを知っているから、私は石を使わない方針でしか長期的にソシャゲを安心して遊ぶことができない。

ただ、もし私が欲に素直で、ちょっと欲しいと感じたら即座に回すタイプだったら、どうなっていたのか……運に恵まれて、無償石を残しつつ②に当てはまるキャラをもれなく手に入れている可能性だって存在しているのだ。
これはギャンブルだ。大失敗して、自らの判断を呪っている確率のほうが高そうにも思える。しかし、そうではなかったとしたら、現実の今よりもずっと強力な資産でゲームを遊べていただろう。
あの時に引いておいたら、と後悔することがないわけではない。でも無限の資金を持たない以上は、今のスタイルがベストだと信じるしかないのだ。
ソーシャルゲームは運と実力の両方が問われるから難しいし、だからこそ流行するのだろう。