K's Graffiti

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NHKマイルC2023回顧

週中から天気予報を確認していたのだけれど、当日の午前中は大したことがなかったというのに、レースが始まる頃には強い雨に変わっていて、こういう不安定な気候の時季には馬場読みの難易度が上がってしまうものなのだと学ぶことができた。
もし良馬場なら……道悪のレース後に毎度のことながら思ってしまう。ちょっとした天の気まぐれで馬の未来が大きく変わる可能性もあるのだから、厳しい世界だ。

 

勝ったのはシャンパンカラーということで、人気薄ではあったものの、穴馬候補として狙っていた人も少なくなかったのではないかと思う。
私も、今回は馬券購入を控えたけれど、最終的には印を打っていたし、2着3着も含めて結果自体には納得している。
そして、またドゥラメンテ産駒だ。本当によく勝つ。産駒数が多いというのは要因として無視できないが、それでも他の有象無象の種牡馬にはない特別なものを持っていることは、もはや誰もが認めるところだろう。早逝による損失は計り知れない。

今回は上位人気のオッズが割れすぎて、はたして本当に人気だった馬がなんなのか、私の目からは判断することができなかった。
前哨戦の結果、騎手、馬場、数々のファクターが入り混じっての混戦ではあったと思うけれど、実力的な意味での注目馬が不在のGⅠというのは、正直なところ個人的には好きではないかもしれない。
何を楽しみに見ればいいのか、わからないのだ。なんとなく前目の馬を追って、直線では後ろから伸びてくる馬に視線を動かす。これでは、ほとんど平場と変わらない。

昼頃から降り続いていた雨の影響で馬場は稍重の発表となり、例年のように高速決着にはならなかった。
雨が止んでいれば、まだ普通の稍重として走ることはできただろうけれど、雨が降っている最中のレースというのは一段回くらい悪いと考えたほうがいいと思っている。
たとえば2021年の大阪杯は重馬場発表ではあったが、どう見ても不良馬場のような感じだった。おそらく今回も、稍重だが実質的には重馬場と言ってもいいのではないだろうか。

前哨戦が道悪ばかり、そして本番も道悪ということで、なかなか見られない珍しいNHKマイルCだったように思う。
こういう特殊なレースで好走した馬が本当に強いのかどうかは次走や次々走を見てみなければわからないが、ここから将来的にマイル路線で活躍する馬が出てくるのかどうか……一瞬、先頭に立ってチャンスがあると思った本命のダノンタッチダウンは、今後の成長次第で楽しみが大きそうではある。後方からの馬に展開が向いたとはいえ、不向きと思われる道悪でロスの大きい競馬をして4着なのだから、普通に強い。そういえば、昨年の4着はセリフォスだった。

 

あまり熱の入らないGⅠだったせいで、馬ごとついて特にコメントすることもないのだけれど、他に気になったポイントを挙げるとしたら、案外タマモブラックタイは強そうで、1200か1400なら買えそうな気がすること、今年の牡牝の絶対的な能力差が例年よりも小さそうであること、ドルチェモアの状態が心配なこと……くらいだろうか。

来週は現役牝馬最強決定戦みたいなメンバーが集いつつあるから、今週との温度差で風を引いてしまいそうだ。
流石に古馬GⅠだけあって能力的な観点からの予想はしやすく、馬ごとに対する個人的な感情も乗っかっているから、どうしても期待してしまう。
これからデータを漁って予想を組み立てていくつもりだが、直感的な本命はナミュールでいこうと思う。