K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

音ゲー復帰の話

ちょっとした気まぐれで、音ゲーの「ガルパ」をインストールした。初めてというわけではなく、実はリリース日から数年間は日課にしていたくらい馴染みのあるゲームであり、私にとって音ゲーの親でもある。
2020年あたりで持続的なプレイ時間を確保できなくなったこと、そして単純に飽きてしまったことなどが原因でスマホ端末から削除していたのだけれど、これだけ間隔が空けば度重なるアップデートや新曲の実装により新鮮味を感じることができる。久々にプレイした感想としては、普通に面白かった。

 

最近の音ゲー界隈はプロセカ一強の様相を呈しており、たとえばセールスランキングの数字を参考にするなら、ガルパは全盛期と比べてかなり苦戦しているようだ。
私が熱中していた当時と比較すれば、プレイできる曲数やジャンルなどは圧倒的かつ幅広いため退屈しにくいし、有名人を起用したコラボだとか3D衣装の実装だとか、新しい施策は多岐に渡る。内容的な意味では、最も盛り上がっていた時期よりも遥かに魅力的なアプリになっていると思うのだ。
しかし、娯楽で溢れている時代だから、一度でも人が離れてしまったら勢いを取り戻すのは難しいのだろう。次から次へと、新しいコンテンツに人は移っていく。既存のコンテンツがどれだけ洗練されて磨かれていったとしても、何か革新的な出来事なり変化なり、既に知っているユーザーを振り向かせるような形で注目を集めるキャンペーンがなければ、ソーシャルゲームのコンテンツというのは緩やかに衰退していく一方なのかもしれない。

そもそも音ゲーという形態が、大きく集金するための装置としては時代遅れになっている感が否めない。
トップのプロセカでさえ、パズドラモンストFGOらの上位常連には歯が立たないし、プロセカを除いた各IPの音ゲーはガルパに限らずどれも厳しそうに見える。
先日リリースされたばかりのユメステも、今のところはサービスの継続が心配になる状況だ。あれはかなり宣伝費を使っていそうだったから、これほど話題になっていないのは痛手だろう。

ちなみに、私の音ゲープレイ歴だが、ガルパを始めて以降は様々なアプリに手を付けている。たいていはインストールした日に軽く遊んで、数日後にはアンインストールする感じだったので半分エアプのようなものだが、一応はそれぞれの違いを認識しているつもりだ。
具体的には、ガルパの後はデレステ、ミリシタ、プロセカ、そして数年の空白期間を経てユメステ、と触ってみた。
ゲームの造りとしては、サイゲデレステは安定感があった印象で、一方のミリシタは端末スペックの問題なのか重すぎた記憶しかない。そもそもアイマス系は対象としている年齢層が高めなのと、音ゲーというよりはIP全体やキャラクターへの愛がないとハマるのは難しいところがあり、私には合わなかった。
その点、プロセカは若い層に人気なだけあって、カジュアルに始めやすい雰囲気がある。次々と生み出されるボーカロイド曲が主体となっていることもあって、どこか聴いたことのある曲が見つかるのだ。愛着を持ちやすい。

音ゲーの評価というのは、コンテンツとしての魅力と、音ゲーとしての面白さの両面から見ていかなければならない。降ってくるノーツをタップする以外にも、たとえばストーリーやキャラクターたちの関係性を楽しむことに主眼を置いているプレイヤーだっているだろう。もちろん、ストーリーは全部スキップして音ゲー部分のみを楽しんでいる人も珍しくないだろう。
まぁ細かいストーリーについて追っていくと時間がいくらあっても足りないし、今回の「気まぐれ」は音ゲーを遊びたいという一心から始まったので、ひとまずは個人的な感覚による音ゲー部分の違い、あるいは好き嫌いをざっくり書いていく。

まず最もプレイ時間が長いガルパだが、これはノーツの降ってくるレーンが多すぎず明確で、非常にシンプルと言える。
やや判定が厳しいという意見もあるようで、確かに慣れていない曲だとGreatを連発してしまうところはある。けれど高難易度の曲でなければ、しっかり見て押せば問題ない。やればやるほど精度が上がり、上達が目に見える良さがあると思う。
なお、以前にはなかった3D演出は端末の要求値が高いようで、私のポンコツスマホではカクカクになってしまうのが残念ではあるものの……真剣に音ゲーを遊ぶなら余計な演出は無駄でしかないから、はたして需要と供給が合っているのか微妙なところではある。

プロセカとユメステは音ゲー部分で似通っているところが多々あり、その最大の特徴は使用するレーンの数とノーツの多彩さだろう。
個人的には認識を錯覚させられるようで好きではないのだけれど、異なる幅のノーツが次々と降ってくるから譜面が個性的に見えるし、画面全体を埋めるような巨大ノーツを押している時には妙な快感が生じる。
問題点は、私が親指勢であることだ。タブレットを机に置くスタイルが多数派なのか知らないが、とにかく親指二本では拾いにくいノーツが多い。ノーツの幅が1レーン分の幅で固定されているガルパなら多少は複雑でも対応できるのに、こちらはノーツごとに幅が違うせいで視認性が著しく低下していて、すぐにミスしてしまう。
慣れていない、あるいはガルパに慣れすぎているというのもあるだろうが、音ゲーとしての純粋な難しさはプロセカやユメステのほうが上なのではないかと思っている。
自分でプレイできたわけではないが、一部の難易度だと親指だけではフルコン不可能な曲もあるのだとか。

 

しばらく遊んでみて思ったのは、音ゲーは気分転換に触るくらいなら面白いということと、これが無料で遊べてしまう以上は金を落としづらいだろうという気づきだった。
私のように愛がない、ただ音ゲーをプレイすることだけを目的とするユーザーは、金の使い所がない。だって必要がないのだから。

随分と間が空いたにもかかわらず、かつて遊んでいた時と遜色ないパフォーマンスを発揮できたのは収穫だった。まだ、私の脳は衰えていない。
むしろ頭を活性化させる意味で、今後は一日に数曲くらいならプレイ時間を設けるのもアリかもしれない。
ずっと在宅だと景色が変わらず、どうしても思考が凝り固まってしまうところがある。それを解すきっかけにできれば、ありがたい。