K's Graffiti

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SEKIRO全クリ

どこまでやったら、どれだけやり込んだら「全クリ」と判断するかは人それぞれだと思うけれど、コンシューマーゲームにおける一つのわかりやすい指標としては「トロフィー」あるいは「実績」というものがある。
前者はプレステ、後者はSteamのつもりで話を進めていくが、要するにこれはゲームによって公式に用意されたやり込み要素ということになる。
特に意識せずとも普通に遊んでいたら達成している項目が少なくない一方で、中には長時間プレイしていても達成困難なものがあり、どの程度までを目標とするのかはプレイヤー各々のモチベーションに委ねられていると言っていいだろう。

 

私はPS3PS4もPS5も持っておらず、よりポピュラーなSwitchすら未所持という有り様なので、はたしてゲーマーを名乗ってよいものか微妙なところだし、別に名乗るつもりもないわけだが、とにかく私がソシャゲ以外のゲームを遊ぶとなれば、基本的には無料でプレイ可能なブラウザゲーか、Steamで購入可能なゲームということになる。
かつてはゲームボーイアドバンスやDS、PSPなんかで無限に遊ぶ時代を過ごしてきたものだが、アニメの視聴習慣と同様に、趣味に対する熱量や付き合い方は年齢を重ねるとともに変化するようだ。
そんな私でも、まったくゲームに時間を割かなくなったわけではない。むしろソーシャルゲームを含めれば大して減っていないような気もするし、割合的には少ないコンシューマーゲームだって、年間100時間以上は間違いなく遊んでいるだろう。

さて、それでは直近で私が何をプレイしていたかというと……過去に何度か日記で触れてきてはいるが、あの歴史的名作の『SEKIRO』だ。
購入から現在に至るまでの経緯を書いていくと、最初に始めたのは随分と前の2021年、あれは確か、Steamのサマーセールで半額になっていたので、思いきって買う決断をしたような記憶がある。しかし、残念ながら当時は私の技量不足とモチベーション低下により、途中までは進めたものの難敵の前に屈してストーリークリアまで至らず、しばらく放置してしまっていた。
それを、何を思ったか今年の春になってから唐突にやる気が湧き上がってきて、リベンジを果たすために新規データからやり直して一気に最後までクリアするという流れがあったのだ。

ということで、一応は登場ボス全撃破および全ルートのストーリー完遂は済ませてあったのだけれど、せっかくなので全実績の解除も狙ってみよう……そんな風に思ったまま、再び日記で触れないまま数か月を経て、ついに目標を達成したのが昨日の朝の出来事だった。

SEKIRO実績

このゲームは慣れてくるとサクサク進めるようになるのだが、一周するために倒すべき最低限のボス撃破だけでは、なかなかスキルポイントが溜まらないという問題がある。
効率良く稼げる場所はあるけれど、そればかりでは単調な作業で時間を無駄にしているように感じてしまうし、画面の変化に乏しいから単純に飽きる。
もしくは、周回を重ねていくと徐々にスキルポイントの獲得量は増えるものの、どんどん強化されていく敵を問答無用で蹂躙できるほど上達しているわけではないため、結果的に時間を要する羽目になるのだ。
稼ぐ作業を毎日10分くらいの日課にしていれば、数週間もあれば十分だったに違いない。けれど、気軽に触れるソシャゲと違って、こうしたCSゲーはガッツリ時間と集中力を使って遊びたい派なので、そういうわけにもいかず……最後は結局、通常モードの効率の悪さに嫌気が差して「さらなる苦難」を利用することになった。
熟練の狼にとっては当たり前の枷ではあると思うのだが、このゲームにはハードモードが存在する。敵が強化されて獲得できる銭や経験値が増加する「さらなる苦難」と、敵が強化されてアイテムがレアドロップするようになる「厄憑き」だ。
プロとマゾは両方を適用するみたいだが、私は適度な難易度で楽しみたかったので、前者のみを活用して5周目に挑んだ。
結論から言うと、4周目までとは段違いの難しさで、慣れたと感じていたのは思い上がりだったと認識させられた。初見時と違って戦い方はわかっているのに、ただ自分が下手だからクリアできない。なんて無力なのだ。
その分、撃破時の見返りは上々で、ちょうどラスボスの一心を倒すタイミングで全スキル取得の実績を達成できる形になった。敵の強さも相まって、これはなかなかの達成感だったと言える。

ちなみに、以下は春頃の話ではあるが、チャレンジモードとして追加されている「類稀な強者との再戦」についても、ちゃんとクリアしている。
「御子奪還」「修羅」「不死断ち」では、敵が新しい動きをするようになって初めは苦戦したものの、何度か挑戦するうちにコツを掴むことができた。
ほぼ全ボスと連戦する「死闘踏破」に関しても基本は一緒なのだが、数が多いため一回あたりに相当な時間を費やす上に、集中力の維持が大変であること、さらに複数を同時に相手にする首無し獅子猿がなかなか安定せず事故負けが多発したせいで、一週間ほど沼ることとなった。

死闘踏破

用意されている全コンテンツを一通り楽しみ、そしてクリアしたということで、自分の中では「全クリ」という判定が下された。
やろうと思えば、苦難厄憑きで8周目と死闘踏破を突破するところまで突き詰める余地はあるだろう。ただ、5周目苦難で自分の限界は見えたのだ。これ以上となると、流石に暇潰しでは済まなくなる。

そうそう、初見時に大変だった一心なんかは、慣れてしまえば大して苦戦しないボスに変わっていったけれど、苦難モードを前提にすると、各ボスに対する評価にも変化が見えた。
被ダメージや体幹ゲージの蓄積なんかを考慮すると、剣聖一心は間違いなく最強格だったとあらためて思う。どうやっても弦一郎はクソ雑魚だし、一段回目の一心もノーダメは難しくないが、やはり槍を振り回し銃を乱射する一心の対処は、一筋縄ではいかない。
あと苦労したのは、過去ではないほうの義父、大忍び梟だった。狭いステージで煙や毒を使われるのが個人的には苦手で、素直に弾き見切りステップだけで倒せる過去の義父よりも厄介に感じたのだ。
宮の破戒僧も、体力が増えているせいでジワジワと体力を削られていって、回復が足りない事態に陥ることがしばしば……完璧に弾ければ楽な相手だろうけれど、だいたいジャスト弾き率70%~80%くらいだったと思うので、ガードによる貫通ダメージの入る苦難だと厳しかった。
逆に、それほど変化を感じなかったのが獅子猿や怨嗟の鬼で、敵の攻撃力と体力が上昇している分だけ負けはしたものの、4周目までと同じ対処方法で倒すことができた。
それ以外の中ボスだと、掴まれたら即死の赤鬼は燃やせばいいとして、どの難易度でもクソボスの火牛については、わざわざ言うまでもないだろう。

 

今年のサマーセールではフロムの死にゲー最新作のエルデンリングが割引になっていたけれど、今回は購入を見送ることにした。クリアまで相当に時間のかかる大作ゆえ、今後の時間の使い方を考えると気軽に手が出なかったというのが真相だ。
もしプレイする機会があるとしても、それは今ではない。いずれ、また大きなセールで安くなるタイミングはあるだろうし、いつか満を持して遊べるようになるために、今はあえてスルーするべきだと判断した。

一昨年からの心残りだったSEKIROを気持ちの上では完全に消化することに成功したため、これから遊ぶべきCSゲーは何かと考えはするけれど、正直なところ、あまり興味のある作品がない。
フロムゲーくらい面白さが確約されているのであれば検討するが、後悔するリスクがあるものに金と時間を使うのには躊躇する。まぁこれは個人的な価値観の問題でもあるが……財布の紐が緩みやすいソシャゲに対しても滅多に課金を許容しない私だから、買い切りだとなおさら慎重になってしまうのだ。

まぁそんなことよりも、今はゲームの他に集中するべき課題が山積みな状況であるため、現実的な意味で当分は長時間の拘束を余儀なくされるタイプのゲームを封印する必要がある。
ゲーマーでなくて、本当によかった。