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マイルCS2023予想

京都競馬場の改修工事により影響を受けたレースは少なくない。マイルCSもそのひとつで、2020年から昨年までは阪神で開催されていた。実は、私が競馬をちゃんと予想して観戦するようになったのは2020年のクラシックからなので、最後に京都で行われた2019年よりも前のマイルCSは、私にとってリアルタイムの出来事ではなかった。これは先週のエリ女に言えることではある。
ここ数年はGⅠなのに同一コースでのレースばかりで飽き飽きしていたところなので、今年の京都という条件はそれだけで新鮮味があって、楽しみに感じることができる。

 

予想する上で重要なファクターとして、過去の好走データが真っ先に挙げられることが多いと思うけれど、改修後の京都を考える上では、あまり参考にならないパターンも多いのではないかと感じている。
当然、阪神とは違うわけだから道中のラップや上がりの傾向は異なる。また、それだけではなく、京都競馬場自体の改修前後における違いも考えておく必要があるだろう。
たとえば、単純に馬場状態が高速化しているとか、あるいは以前よりも時計がかかるとか……まぁこれは時期や天候によって左右される部分なので必ずしも決まったものではない。
一方で、コース形状の違いがもたらす結果への影響は顕著だろう。具体的には、4コーナーから直線にかけて、明らかに内側が有利という点だ。かつての京都であれば坂を下った後に急カーブするため、スピードの乗った馬は外に振られて馬群が大きく広がるという特徴があった。ただ、どうやら今の京都4コーナーは随分と緩やかなカーブに変わってしまったらしく、普通に距離ロスなく回ってきた馬が勝ちやすい。馬場の良いところを走らせようとするなら、直線に入ってから横にズレればいい。
外を回ってきた馬は、ただでさえロスがあるというのに、内から張り出されて余計に遠回りせざるを得なくなる。多少、能力が抜けていたとしても、内前で有利に立ち回られたら差し届かない恐れがある。
そろそろ向こう正面やコーナーでも内が荒れてきているはずなので、必ずしも内枠しか勝たないという状況ではないだろうが、それでも外枠は割引要素として捉えたい。
そうした前提で考えた現時点での評価は、以下のようになる。

マイルCS2023予想

△ソウルラッシュ
ルーラーシップ産駒としては珍しくキレる脚を持つマイラーだが、これまでGⅡやGⅢでは強いもののGⅠでは馬券に絡むことができておらず、単純に力不足の可能性も否めない馬だ。モレイラ騎手が乗るとはいえ、やや過剰人気感がある。
ただ、どうやら京都の馬場は荒れ模様というか、春のマイラーズカップとは違ってパンパンの良馬場ではないため、むしろ時計のかかる条件でこそ輝きそうなこの馬にもチャンスが生まれていると考える。
最内枠なのでスタートが肝要となるが、上手くポジションが取れたら直線インから伸びてくるかもしれない。

△ソーヴァリアント
チャレンジカップを連覇していて札幌記念では3着と、いかにもタフな中距離馬というイメージだが、前走は高速決着の富士ステークスで3着に好走できている。
今回のレースは速い上がりが要求される時計勝負というわけではなさそうだし、むしろ適性ドンピシャの可能性がある。そこそこ能力があるにもかかわらず人気薄、そんな馬に乗る池添騎手という点も押さえておきたい要素だ。

ジャスティンカフェ
今年のエプソムカップでようやく重賞馬になることができた馬だが、能力自体はその一年前から認めていた人が多いだろう。
基本的には後方から鋭い脚で伸びてくるタイプであり、流石にどこからでも勝てる最強格というクラスではないから、どうしても展開に依存せざるを得ない馬でもある。
昨年のマイルCSでは不運にも詰まりまくって、それでも脚色優勢で差の少ない6着まで伸びている。スムーズに追い出せていたら、勝ったかどうかはともかく、馬券的な結果は変わっていただろう。
個人的に好きな馬ということもあって、期待したい。

◯セリフォス
GⅠでの連続好走が目立つダイワメジャーの最高傑作……ということで実質的には本命視していると言っても過言ではない。
前に付けることもできるし、後ろから速い上がりを繰り出すこともできる柔軟さがあり、万が一の大きな出遅れさえなければ、どこからでも上位に食い込んでくるイメージが持てる。
ただ、枠が外寄りなので安田記念のような形にはならないだろう。スタートから自然な流れを予想すると、外を回って差してくると思われる。今の京都で外差しが通用するのかどうか、注目していきたい。

◎シュネルマイスター
直近のマイルGⅠでは本命の印を打ち続けながらも、惜しい敗戦が連続しているトップマイラーの一頭であり、そろそろ大きな勝ちが欲しいところではある。
前走の毎日王冠は誰が見ても展開負け、むしろ最も強かったのはこの馬だと考える人も少なくないであろう凄まじい末脚を見せていて、昨年のマイルCSジャスティンカフェほどではないにせよ前が塞がる不利がありながらの5着、なので今回こそはスムーズに伸びてくるところを見たいと思うのだ。
3歳時から一線級の活躍を見せているため、そろそろピークを過ぎていないか不安ではあるものの、種牡馬価値を上げるという意味でも全力で仕上げてきているはずだ。
まぁ京都が大得意かつ、絶好調のルメール騎手を軽視できないというのもある。

その他、気になりつつも点数の関係で買い目には入れない馬にチェックを付けているが、これらに好走されなら取捨選択を間違えたということで、反省材料としたい。
今回ナミュールは無印だが、大外でなければ多少は評価していただろう。逆に、こういう時こそ走られてしまうのが競馬というものではありそうだが。

 

先週の時点で、川田ルメールで十分という考えを抱いていたが、一週間が経ってもそれが変わることはなかった。
強い馬に好調な騎手が乗っている。あえて、それに逆らった予想をする意味もないだろう。

■3連複 軸2頭ながし(3点)
⑨⑪-①⑤⑧

面白くないかもしれないが、極限まで点数を抑えつつ当てにいって、さらに回収率プラスを狙える馬券となると、これくらいしか思いつかない。
レース観戦に付け加える些細な楽しみとして捉えるなら、私にはこれくらいで十分という話ではある。