K's Graffiti

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「ランドセルガール」感想

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』を観てきた。前作「おでかけシスター」が初夏の公開だったので、この手の劇場作品としては間隔が短めというか、まだ記憶が新しいうちに楽しめるのはありがたい。
以下、個別の日記としては短めの文章になってしまうが、今回に限っては軽く内容に触れる程度で十分だと判断した。というのも、前作は何年も間が空いていたこともあって、事前にテレビシリーズを復習するなど気持ちの面で準備万端だった反面、劇場作品としては若干のボリューム不足を感じたことで、どうしても物申したい気分になっていたのだ。その点、今作は非常に満足度の高い時間を過ごすことができたように思う。

 

映画の簡単な内容としては、長く続いてきた高校生編の締めくくりとして、これまでに広げた風呂敷を畳みつつも、次なるシリーズへと繋がるような伏線を新たに張っていく……ああ、こうして考えてみると、今作は大きな話から大きな話へと移行する期間を描いたものであり、単体では実のところ起伏に乏しく、厳密な意味では評価しづらいかもしれない。
ただ、私が作品に期待していたものを真っ直ぐに見せつけてくれたというだけで、素直に称賛できることは確かだろう。

何が一番重要かというと、やはりヒロインなのだと思った。
ヒロイン力、と言い換えてもいいかもしれないが、とにかく受け手としての私が潜在的に欲しているヒロインの振る舞いというものが、どれだけ魅力的に描かれているか……長年にわたって数々のアニメ作品を鑑賞してきた私ではあるが、本作に出てくる桜島麻衣というヒロインは文句なしの最強であると断言できるくらい、それは完璧だった。
ああ、麻衣さん。

さて、タイトルの「ランドセルガール」だが、作中ではランドセルを背負った幼い麻衣さんが登場するシーンがある。彼女が今回の物語を動かす、ひとつの鍵となっているのも理解できる。
ただ、これまでの物語とは違って、幼女麻衣さん自体は舞台装置の一種に過ぎず、話の中心になっているのは咲太とその家族にあると感じた。どちらかというと「おでかけシスター」の延長線上の話というか、もちろん続きモノの物語なのだから当然ではあるのだけれど、「ランドセルガール」の要素はこれだけかという感覚だ。だから満足度という観点では期待に応えてくれた一方で、やや内容的には予想外だったというのが正直なところではある。
それにしても、普通のライトノベルでは軽視されがちな「親」という存在との付き合い方や、「家族」の在り方といった要素が、ここまでしっかり描写されるとは思わなかった。なんだか非常に貴重なものを目にした気持ちになったし、さらに私自身の親についても考え直すきっかけになったかもしれない。

制作が決定している大学生編がテレビシリーズになるのか、同じように映画として公開されるのかは知らないけれど、きっと2025年以降になるだろうから気長に待ち続けたい。

 

そういえば、今週分の特典である複製ミニ色紙を貰うことができた。配布期間ギリギリだったはずだけれど、余っているのだろうか。
中身は、おそらく一番のアタリと言えるであろう麻衣さんだった。まぁ各々の好みによって何が嬉しいかは変わってくるだろう。私の場合は特定のキャラに極端な愛情を寄せることよりも、「流れ」や「雰囲気」を重視する傾向にある。つまり、メインヒロインとしてこの上ない活躍を見せる麻衣さんが来てくれたという事実に、大きな喜びを覚えるわけだ。

しかしグッズを部屋に飾る趣味がないため、この手の特典は開封した瞬間がピークなところがある。結局、抽斗の奥に封印することになるのであれば、こんなところで運を使わないほうがよかったのではないか、と思わないでもない。