K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

生存記録(20231215)

予定していた通り、連日の外出にはなるけれど今日も映画を観にいった。作品名は『ゴジラ-1.0』、内容に関しては事前に一切の情報収集を行わず、ただゴジラの新作だという気持ちのみで臨むことにした。
先月の公開当初から気になってはいたものの、時間の都合であったり体調面であったり、諸々が噛み合わず映画館に足を運べる状態ではなかったので半ば忘れかけていたくらいなのだが、どうやら評判は上々とのことで期待値がいい具合に高まってきたことや、今週に入ってから自身の映画に対するモチベーションが上がってきたことなど好条件が揃ったため、いよいよ実現した形になる。
個人的な映画体験として、アニメーション作品は数えきれないほど観てきたわけだけれど、実写しかも邦画のものとなると、決して多くの作品を知っているとは言えない。映画というとハリウッドかアニメ、というイメージを無意識のうちに抱いているくらいなので、しっかり映画館で鑑賞したという意味では、両手で数えられるくらいのような気がする。
何が言いたいかというと、すなわち私には蓄積がないのだ。たとえば、アニメについては過去作の様々な演出や展開を知っているがゆえに、新作に対する評価が辛口になりがちなところがある。舌が肥えているとも言うが、とにかく知っている味だけでは満たされにくく、何かしら新しく得られる要素を見出だせなければ凡作という結論に至ってしまいがちなのだ。その点、実写邦画となると非常に見方が甘くなり、おそらく一定以上の水準に達していれば満足してしまえる。ゴジラシリーズに熟知していたり、実写映画の鑑賞経験が豊富な人であれば、きっと細かい指摘もできるのだろう。しかし、私は本作を素直に楽しむことができた。主観的には、エンタメとして文句なしの出来だったと言うことができる。
もっとも、ストーリーの大筋自体は使い古された展開だったので、中盤から終盤にかけての紆余曲折は大半が予測できてしまうものだった。きっと、こうなるだろうと思い浮かべたイメージそのままに描かれる……まぁ王道と言うべきか、人によっては意外性に欠ける凡作という感想にもなりかねない流れではあったけれど、キャストの演技や台詞、派手な映像を楽しむことによって、話の陳腐さは大して気にならない構造になっていたようにも思う。
タイプの違う映画を二日連続で観たわけだが、たまにやる同日に二本を連続して消化するよりも、一作に対する解釈や余韻に深みが出るのではないかという気づきを得ることができたように思う。時間的ないし体力的な効率を重視するなら一度にまとめてしまったほうがいいけれど、今後は同時期に興味を惹かれる作品が複数あった場合、日を分ける方針で考えてみよう。