K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

生存記録(20240206)

このところ近場で工事が行われているだけれど、あまりにも騒々しくて逆にストレスを感じない。完全にそういうものだと身体が受け入れてしまったようだ。
工事といっても何かを建てるわけではなく、解体だ。重機を使って破壊していく。事前に通知の紙が郵便受けに入っていたから覚悟はしていたものの、音と振動のレベルは予想を遥かに上回るもので、日中は延々と地震が続いている感覚に近い。ただ、それだけ凄まじい衝撃が伝わってきているにもかかわらず、私は平気で昼間に眠ることができている。隣人の立てる生活音とは性質がまったく異なるのだろう。どれだけの騒音でも、ひとたび環境音だと認識してしまえば、極端に神経質な私のセンサーに引っかかりにくくなる、ということなのかもしれない。
しかしながら、音はともかく振動のほうは厄介というか、本気で心配になる。これだけ長い地響きに晒されて、はたして建物の地盤はダメージを受けないのだろうか。そのあたりの知識は一切ないため単なる印象でしかないのだけれど、大地震の被害に遭った家屋が安定性を欠くのと同様に、イレギュラーな揺れを浴び続けていると歪んでしまうのではないかと不安になる。建築時には耐震性が担保されていたとしても、経年劣化と今回の強烈な振動によって地盤が緩んでしまえば、いざ本物の地震に見舞われた際に崩れない保証はどこにあるというのか。
工事中でも睡眠の質に大きな影響はない。ただ起きている時間帯だと、PCのモニターが揺れたり椅子から身体に揺れ伝わってきたりして、かなり気が散る。こればかりは嘆いても仕方ないし、しばらく我慢するしかないのだろうが……解体工事だから一週間程度で済むのかと思ったら、ちゃんと手紙を読んでみると来月末までを予定してるらしく溜め息が出た。
自宅をただの寝床として捉えている人は、住宅のクオリティや周辺環境の影響を受けにくいのだろうけれど、私のように生活の大部分を家で過ごす人間にとっては、軽視してはならない項目だった。ここに住むと決めた時の軽率な選択は、きっと死ぬまで忘れることのない、人生における数少ない後悔として刻まれることだろう。