K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

将棋観戦

2013年頃に、将棋の生放送を見るという趣味が出来た。
きっかけはなんだったか、よく覚えていないが、小学生のときにはクラブ活動で将棋を指していたこともあり、プロ棋士の対局に関心がなかったわけではなかった。

ドワンゴが将棋というジャンルに力を入れ始めて、タイトル戦が簡単に見られるようになったことが、きっかけと言えばそうなのかもしれない。

 

見始めてから数年は羽生さんの圧倒的な強さに魅了され続けていたけれど、徐々に他の棋士にも興味が出てきて注目するようになる。

ちょうど今日、名人戦で勝利した渡辺名人なんかも、当時は絶対的な竜王という風にしか見ていなかったけれど、ここ数年のB1に落ちてから全勝に次ぐ全勝で強さを取り戻していく流れにはわくわくさせられた。

それから、なんといっても藤井棋聖
個人的には、そこまで熱が湧いていないというか、世間の注目度ほど応援しているわけではないのだけれど、あれよあれよという間に無視できない存在感を放つようになってきていて、今後の将棋界の看板的な立場まで、あともう少しというようにも思う。

 

最近びっくりしたのは、これまで将棋界のことなんてまったく知らなかったはずの私の家族が、藤井棋聖を中心とした対局の動向について、場合によっては私よりも興味を持って見ているということ。木村王位とか、渡辺(元)棋聖とか、そういう名前が出てくるとは思いもよらなかった。
これまで、家で将棋の話をするのなんて私だけだったし、仮に熱く語ったとしても、ハイハイわかったすごいね、と軽くあしらわれるのが常だった。今では、藤井君はすぐ名人取れないの? と聞いてくる家族に対して、順位戦のことを説明する羽目になる始末。
いや、そういう話をするのも好きだからいいのだけれど、それにしたって態度が変わりすぎではないですかね。

基本的にこういうコンテンツは既存参加者だけで回っていて、時代の変化と娯楽の多様化によって規模が縮小していくのが普通だと思っているから、これだけ多くの人にあらためて注目されるようになったというのは、本当に凄まじいことだ。約24年前の将棋ブームも、こんな感じだったのだろうか。

オタク的な視点で言えば、『りゅうおうのおしごと!』の存在も大きい。物語として純粋に面白いだけでなく、緻密な取材のもと将棋界の小ネタが随所に散りばめられていて、将棋ファンにとっては思わずクスッと笑える要素があるから、すぐにハマってしまった。
ここのところ、リアル(藤井聡太)に負けそうになっているということで、なんというか、現実に寄り添った形でフィクションを作るのは大変なのだなと、見ている側としては熱い展開で面白いが、作り手として考えていくと苦笑いを浮かべそうになる。

 

私自身の将棋への向き合い方と言えば、対局自体は小学校卒業以降はほとんど経験がなく、少し前にスマホアプリで遊ぶ程度のことはしていたが、再開する気にはあまりならない。趣味は趣味であるから、楽しみ方はなんでもいいだろうという話で、まぁ本格的に将棋を指そうとすると、いくら勉強しても時間が足りないわけだ。
観る将のままでも、十分に楽しい。

朝から夜まで対局の中継を見て一日を過ごすということが、以前は頻繁にあったのだけれど、最近は時間が取れないでいる。やりたいことが増えたというのもあるし、趣味として自分の中で確立したばかりの頃の熱が落ち着いてきたのもある。見るとしても終盤の盛り上がるところだけだったり、結果を見るだけだったりするようになった。
気になっていた対局がいつの間にか終わっているのを知って愕然とすることもあるけれど、興味を失っているわけではないから、諸々のタイミング次第のような気もしている。

個人的にはやはり、いまだに羽生さんの活躍を期待しているのだと思う。
今年は竜王戦で挑戦者決定戦まで勝ち上がっているので、その対局は忘れずに観戦したい。