K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

LINEスタンプの話

たまにLINEスタンプを買う。動機としては、かわいいから、というのがほとんどで、実際に使う場面なんてあまり想定していないため、買ったまま未使用のものが珍しくない。
でも仕方ないよね。欲しいと思ったのだから。

 

オタクにありがちな現象だと勝手に思っているのだけれど、買ったはいいものの使える相手が少ない。というか、いないのだ。
気軽にオタクスタンプを使える相手というのは、少なからず相手もオタクなのであって、そうでない人間に送るには私の中の何かがストッパーをかける。躊躇する。
好きなら気にせず使いまくればいいという意見もあるかもしれないが、私の場合は、好きを必要以上に主張することのメリットが思い浮かばない。特に、極端に「友だち」の少ない私にとっては、LINEで個別に会話する人間というのは有象無象の知己ではなく、自分の時間や労力をある程度は捧げてもよいと思える特別な存在なわけで、要するにどういう反応をされるか逐一シミュレーションして、失敗しないように気を遣う相手だ。
たとえリアルでどれだけ仲がよくても、顔の見えない意思伝達というのは簡単に勘違いが起こるし、ゲーム脳的に言えば友好度も下がりやすい。このあたりの感覚については個人的なトラウマ事情も絡んでくるので個人差が大きい部分だとは思うけれど、慎重すぎて悪いことはない。
「なんだこいつ」と思われたら、そこでゲームオーバーだと考えると、とてもじゃないが迂闊にスタンプを使用することはできないのだ。

そもそも、私が私自身の満足のために買っているだけなので、別に使ってやれなくても問題はないのだ。使ってやれなくて申し訳ないという気持ちが、まったくないわけではないけれど。
それに、すべてのスタンプが使いやすいというわけでもないし、現にオタク相手でも機会が一切ないスタンプがたくさんある。これはもはや、所有欲に近いのだろう。購入した時点で、その目的のほとんどを達成していると言ってもいいかもしれない。

そんな中でも、買ってよかった、便利だなぁと思えるものがいくつかある。オタクとのやり取りで、私からだけではなく相互に頻繁に登場するものがある。
一つ挙げると、リゼロのレムスタンプだ。これは、使い勝手が鬼がかっている。正直なところ、大半のコミュニケーションにおけるスタンプを使用すべきタイミングで、ほとんどすべての役割を担えると言っても過言ではない。
基本的な表現を押さえていて、かわいい。相手を不快にさせる要素も少なく、完璧に近い。何より気軽に返事をしたい時に、どのスタンプが相応しいだろうかと深く悩む必要がないというのが、かなり大きい。とても助かっている。
アニメ関連で今後スタンプを制作される方は、是非とも参考にしてほしいと思うくらいだ。

……ふと、自分で作ってみるのも面白いのではないかと思った。まぁ結構手間がかかりそうだし、軽い気持ちでやれるかは微妙なところだが。

 

以前なら、このスタンプかわいい買おう、と次々に増えていったスタンプだけれど、最近ではLINEを開くこと自体が珍しい出来事になってしまったので、新しいスタンプが出ても気づかないことが多い。
どうせ買っても使わないし、というかLINE自体ほとんど使わないし、などと消極的でやる気がない。これが孤独な人間の末路よ。悲しいなぁ。

所詮はスタンプの話であるから大したこととは受け止めていないのだが、やがて趣味の領域においても同様の「どうでもいい」という気持ちが先行してしまわないかが、若干の心配事ではある。