K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

Starry Wishes

昨日12/5の19時から配信された水瀬いのり初のオンラインライブ。
実は先日までそれほど興味がなかったのだけれど、配信日に迫るにつれ……やはり無関心でいることに我慢できなくなったので、直前にチケットを購入した。
夏に中止となったライブのこともあるし、いったいどんなセトリになるのだろうと思っていたが、本当に素晴らしいライブだった。見ることにしてよかった。

 

なんというか、セトリを一言で言い表すなら、水瀬いのりオールスターズ、といったところか。アーティストデビュー五周年の集大成が、そこにはあった。
シングルおよびアルバムの表題曲+とっておきの数曲という構成。私はCtRより前のライブ楽曲について生歌を聴いたことがなかったので、これまでに溜めてきた期待に対するカタルシスが一気に流れ込んできた想いだった。限られた時間の中で最大限の密度を求めるなら、なるほどこうなるのかという感想が先立つ。
彼女を知らない人に魅力を伝えるのにも、うってつけと思える楽曲群だった。

聴いていて感じたのは、CD音源でしか知らなかった過去の曲に現在の歌唱力が合わさることで、これまでに何度もヘビーローテーションを繰り返してきたにもかかわらず、そこに素敵な新鮮味が生まれていたということ。特に『春空』では顕著に思えたけれど、三、四年前と比べると歌い方が明確に、よい方向に変化しているため、すっかりと聴き入ってしまった。
また、オンラインかつ収録ならではの衣装チェンジやステージ演出が非常に印象的で、まるでMVのような幻想性を垣間見ることもできた。会場で味わう熱気や音圧には独特の魅力があるけれど、画面越しの没入感というのも体験してみたら悪くないものだ。あっという間の一時間半だった。

通常はライブ会場で響く圧倒的な音声が直接に耳に届くという感覚は新しいものがあり、CDでは決して味わえない迫力を強烈に感じることができた。全国ツアーというわけではないからか喉の体力も万全のようで、歌声に関しては過去のどのライブよりも伸びていたように思う。高音の曲もかなり多いけれど、どれも発声がきれいだった。
これだけ生歌がうまいとなるとライブ版の音源も欲しくなるのだけれど、まとめて売ってくれないものだろうか。

総じて、非常に満足度の高いライブ配信だったと思う。叶わなかった横浜アリーナでのライブが、こういう風に形を変えて届けられるという事実に、今はただただ感謝したい。
六周年以降のますますの飛躍を願って、私は今後も彼女の楽曲を追い続けることだろう。以前にも書いたが、もはや人生に必要な歌声になっている。

それにしても無観客で横アリ貸し切りライブというのは、シュールというかなんというか。配信だけで利益が出ているのかわからないけれど、案外オンラインのほうが座席数に制限がない分、収益的には悪くないのかも……なんて思わないこともない。

 

FC会員限定で、こちらは収録ではなく生配信のアフタートークがあった。オマケ程度にしか考えていなかったのだけれど、いやぁ……よかった。会員になっておいてよかった。
ライブの余韻をうまく消化しつつ、笑顔をもらえる最高のコンテンツ。オタク代表・町民代表の大西沙織さんとの、ある意味「いつもの」会話がとても面白くて、久しぶりに声を出して笑ったような気がする。
ライブ終了後からアフタートークにかけて、コメントやTwitterへの投稿数が爆発的に増えていったので、「自分の生活空間から見る」ライブではあったけれど、一体感もしっかり感じることができた。

あまりにも満たされてしまったので、これが4,000円でいいのか、などと思う。最初は高いように感じていたのだけれど、中身を見たら全然そんなことはなかった。
来年のエンタメ界がどうなるのか、感染症の状況は先行き不透明に思えるけれど、徐々にリアルライブを開催できる環境に戻っていくのか、あるいはオンライン配信の内容充実を図るのか……今回とてもよかったので、個人的にはしばらくこのままでもいいかなと思っている。