K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

バックアップ

PCの寿命というのは、平均的にはどれくらいなのだろうか。使用頻度や使い方で大きく変わってくるとは思うのだけれど、Googleで調べてみると、おおよそ5年前後くらいという情報が出てくる。
この手の数字は、そのまま信じるよりも自分のケースに当てはめて計算し直すべきだと考えているので、場合によっては3年程度で壊れるだろうし、大切に扱っていれば10年近く正常に稼働させることもできるだろう。
そういう意味では、私のPCはそろそろ不具合を主張してきても不思議ではない時期に差し掛かっている。

 

購入したのは2018年の春だった。
それ以前に使用していたPCのどこかに故障が発生して、OSを読み込めなくなったため仕方なく買い替えたのだけれど、気づけばそれから4年半近くが経過している。
平均の話に戻るが、私のPC使用状況はおそらく一般的な人間よりも明らかに多い。何しろ、起きてから寝るまでの間はほとんど電源を入れているし、たまに睡眠中も動かしっぱなしにしているくらいだから、一日あたりの平均稼働時間は20時間くらいになるのでははいだろうか。
もっとも、外出する日や帰省中などは停止しているから、年間単位で計算するなら12時間程度だとは思うが。

そもそもの話だが、これまでの4年半でまったく不具合が発生しなかったわけではない。
確かあれは、2019年の春になる直前くらいだったと思うが、電源ユニットが弱ってしまい起動できなくなるアクシデントが起こった。
一応、内部を弄れるような構造になっているため、自分で交換することができる。他のパーツと違って、電源の交換はあらゆるコードを挿し替える必要があるため手間がかかり、半ば素人が一人で実施する作業としては非常に大変だったことを今でも鮮明に覚えている。
そして、確か昨年の夏だったろうか、この日記にも長々と流れを書いたはずだが、メモリー接触不良によりOSの読み込み途中で画面が停止するという問題に見舞われたのだ。
結論から言うと抜き挿しすれば解決する些細な不具合だったわけだが、これは原因究明に時間を要した。また電源の故障なのか、OSや内部のSSDないしHDDが壊れて読み取れなくなっているのか、グラフィックボードなのかマザーボードなのか……トラブルへの対処法を調べながら、目の前の事象と照らし合わせつつ、一つひとつ可能性を消していって行きついた先がメモリーだったのだけれど、場合によっては買い替えが必要となっていたかもしれないから、随分とメンタルにダメージを受けたものだった。

 

前置きが長くなったけれど、本題に入る。
タイトルの通り、今回はHDDに不具合が発生した。ただ、以前に経験した問題とは異なり、今度は比較的時間の猶予が与えられたため、慌てることなく対応することができた。
というのも、ディスクの状況に関してはCrystalDiskInfoというソフトウェアを起動させておくことで、常に監視できるからだ。異常が発生したら、状況に応じたエラーを示してくれる。
それから、たまに見ているイベントビューアーの管理イベントにおいても、しばしばディスクに致命的なエラーが生じていることが明らかになった。
キーワードは、回復不可能セクタ・代替処理保留中のセクタ・不良ブロック・巡回冗長検査(CRC)エラー……などだ。

要するに、ハードディスクの一部領域が壊れて使用不能になっていて、該当箇所のデータが読み取れなくなっている上に、時間経過や使用負荷とともに少しずつ広がっていくから、傷口が大きくなって致命的なデータ欠損を招く前に、保存されているデータの救出あるいはバックアップを取る必要があるという状況だった。
初めは様々な可能性を考慮して修復を試みようとしたのだけれど、どうやら物理的な故障らしくシステム面から直すことは困難だとわかり、素直にバックアップを取ることにしたというのが一昨日から昨日にかけて向き合っていた事象となる。

総容量3TBのHDDだから、オンラインストレージに移すのは現実的ではない。やや痛い出費ではあったけれど、新規に4TBのHDDを購入することにした。
これでも、昔に比べたらずっと安くなったものだと思う。SSDが同等程度まで安価になってくれればいいのにとは思うけれど、当分は大容量のデータ格納先としてHDDという媒体が現役で居続けるのだろう。
Amazonお急ぎ便で、注文から一日で到着した。開封して、デスクトップPCのカバーを外し、グラボや電源を外しつつ狭い空間に新しいHDDを押し込む。
実は、HDDをガッチリ固定するための備品が必要だったようなのだが、そんなものの予備は持っていないし、狭いところで電源やSATAケーブルを繋ぐ作業が本当に苦行で仕方ないから、少し不安定ではあるけれどこのまま使い続けることになると思う。これで壊れるということは、流石にないだろう。

元通りの形に戻して、電源を入れ、HDDを使えるようにシステム的なセッティングを終えてから……コマンドプロンプトを開いてrobocopyを実行した。
以前に携わっていた仕事でrobocopyコマンドを扱う業務があったから、完全に素人ではないとはいえ、プライベートで大容量のrobocopyを行うのは始めてだったから、慎重にオプションを設定してから実施する。全データを移すわけではなく、消えたら困る必要なフォルダを優先したのだけれど、それでも1.5TBは超えてしまったので、全コピーが完了するまでは8時間くらいかかったように思う。
不良セクタに当たるデータはコピーできずエラーが発生するため、スキップすることになる。ログから対象のデータを確認し、どうにか修復できないか試行錯誤したものの、私の技術では手の施しようがなさそうだった。
ちなみに、壊れていたのはいずれも長めの動画ばかりで、ほとんどが個人的なゲームプレイの記録だった。いつも動画撮影時は念のため非公開で同時配信しているため、YouTube上から確認できないことはないデータだった。他に保存先のないドキュメントや画像などは無事だったから、最悪の事態は免れたことになる。

というわけで、今回もどうにかPC自体を買い替えることはなく、次のトラブル発生時まで使っていくことができそうだ。
まぁ時間差でガタが来ているから、こうして徐々に交換を繰り返していくことで、いずれは全体が入れ替わっている可能性はあるけれど、新規購入するコストと比較したら、大したことはない。

壊れかけのHDDは、逆にバックアップ用として利用してやるとしよう。一部が病に侵食されてはいるものの、まだ大部分は健全に使えるディスクなのだから。