K's Graffiti

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お気に入り楽曲2020

年末が刻々と近づいてきて、今年はどんなことがあったか、何を見て何を聞いて、どんな出来事が印象的だったか、などと振り返る人も多いのではないかと思う。
私にとって2020年は、おそらく他の大多数の人と同様に暗い話やつらい展開が次々とやって来た、という感覚が強い一年だったけれど、素敵な出来事が皆無だったというわけではない。
今日は「私の人生を豊かにした」という観点から、何度もリピートすることになった今年の楽曲をいくつか選んでみたい。

 

楽曲と言っても私が触れる機会のあるジャンルはアニメやゲームに極端に偏っているため、一般大衆に人気のある曲とは、ちょっと違った選曲になるかもしれない。

さて、気に入った曲という意味で挙げるなら、結構な数が候補になってしまうのだけれど、それぞれに所感を書きたいという事情もあるので数を絞る必要がある。
そのため簡易的な選出方法として、これだけは譲れない、という強い想いを感じた曲を残していき、他は深く考えず切り捨てることにした。要するに印象力勝負という感じで、まぁなかなかに難儀したけれど、なんとか5曲まで絞り込めたのでランキング形式で以下に並べていく。

 

第5位
「私たちのSTARTRAIL」/ラピスリライツ・スターズ

アニメ『Lapis Re:LiGHTs』の主題歌であるこの曲は、19人によって歌われるアイドルソングのようなもので、女性声優の合唱に特有の耳に心地よい成分が含まれている。
確か、気に入ったという内容で個別記事を書いた記憶もあるのだけれど、やはり年末に振り返ってみると記憶の片隅で存在感を放っていた。
OPの映像の冒頭、楽曲に合わせて19人がそれぞれ歌うカットが連続で切り替わっていくので、初めはキャラクターの数が多すぎて混乱したけれど、アニメ中盤以降にはすっかり全員を覚えてしまった。そしてサビの直前、19人が横一列に並んだところをカメラが横切っていくシーンは曲の盛り上がりとの相乗効果を発揮していて、いわゆる「ここすき」ポイントを生み出している。
アニメのOPやEDは飛ばしてしまうことも多い中で、この曲は一度も飛ばさないだけでなく、毎回心の中で一緒に歌ってしまうくらいにハマっていた。
ゲームのリリースはいつになるのやら、という感じだけれど、密かに期待している。

 

第4位
「青嵐のあとで」/sajou no hana

アニメ『とある科学の超電磁砲T』の2クール目のEDテーマ。非常にエモい。
何がエモいかと言えば、そう、例えば「エモい」という言葉の意味がわからない人にこの曲を聴いてもらうとする。心の中に生まれた感情が、まさにエモいという感覚に他ならないため、すぐに理解できるのではないかと思うくらいエモい。
説明に語彙力なんて要らないくらい、柔らかくも鋭く感情に触れてくる威力を孕んでいるから、とりあえず聴いてくれ、話はそれからだ、という感じだ。
曲自体が本当に心に響く音色を持っているので、単体でも十分に神曲と言えるレベルなのだけれど、アニメ本編の展開を意識していると思われる歌詞に注目してみると、ますますグッとくる。
これも飛ばすことがなく、毎週のように心が洗われるような体験ができた。

 

第3位
「Sacred world」/RAISE A SUILEN

アニメ『アサルトリリィ BOUQUET』のOPテーマで、圧倒的な盛り上げ曲。初めてフルで聴いた時、こんなに楽しい曲があるのかと驚いた。
アニメのOPでは90秒の一番だけだから、インパクトが凄いなぁという印象に留まっていたものの、フルサイズで聴いたら真の魅力を知ることができた。二番からラスサビに至るまでに勢いが増していく構成に、「天才か?」と思うほど。たった5分の間に、その世界に引き込まれる。
これも個別記事を書いた覚えがあるので、ここで長々と語ることはないけれど、とにかく隙がなく無限にテンションが上がる曲だから何度聴いてもまったく飽きないという特徴があって、自然と身体が揺れる。つい口ずさみたくなるラップがいいアクセントになっていて、何度も歌詞を確認した。カラオケで歌うのは相当に難しいと思った。
早くガルパに実装してクレメンス。

 

第2位
「NEO SKY, NEO MAP!」/虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

アニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』のEDテーマで、エモさで言えば「青嵐のあとで」と双璧という印象を受けている。あちらが曲全体に漂うエモさだとしたら、こちらはピンポイントで涙腺を攻めてくるような感覚で、アニメ本編の余韻を最大限に引き出す役割を果たしている。
いろいろな意味で話題となった11話では流石にあまり頭に入ってこなかったけれど、それ以外の回では毎回泣かされそうになる。実際、何度か感極まって泣いてしまうことがあった。
過去のラブライブとは異なる試みで評判の虹ヶ咲だけれど、その特性はEDにもよく表れている。映像は水彩タッチの紙芝居、曲調は感情そのもの、という視聴者の語彙力を失わせる魅力に詰まっていて、過去作を下げたいわけではないけれど、これまでのラブライブ楽曲の中で最も頭に残るように思えた。
本当に素晴らしい体験をありがとう、とスタッフへの感謝を述べたい。

 

第1位
「僕らは今」/水瀬いのり

アニメ『ソマリと森の神様』のED曲「ココロソマリ」のカップリング曲にして、水瀬いのりライブツアー2020の主題となった神曲
残念ながらライブは中止となり、いまだに生歌を聴くことができていないのは悔しいけれど、それはさておきこの曲が秘めるパワーの凄まじさと言ったら他の曲の比ではない。カップリングというのが信じられないくらい、両A面的な楽曲だ。
選曲に迷った今回の日記だけれど、第1位は初めから決まっていた。
一番は静かに語るように始まり、二番から一気にぶち上げる。そのギャップもさることながら、特にサビは藤永曲の最高傑作と感じられるくらい曲調に力がこもっていて、初めて聴いた時には意識がまったくの別世界に飛ばされてしまったかのように、強烈な衝撃を受けた。曲が終わっても容易に戻ってくることができない。異世界体験ができる曲と言えば、その圧倒的なエネルギーの大きさが伝わるだろうか。
藤永龍太郎×水瀬いのり」の曲にはハズレがないというのは、ちょっと詳しい人の間では常識のことだけれど、この曲にはこれまでの集大成のような雰囲気すら感じた。いつか、彼女がステージの上でこれを歌い、それを同じ空間で聴くことができる日を、私は願い続けることだろう。
おそらく、今年最もリピート再生した曲にして、脳内再生した曲でもある。以前の日記でも書いたが、確実にこの曲は、私の人生に必要な曲になった。
この強さを超える楽曲が今後、出てくることはあるのだろうか。それを期待しながら、私は「アーティスト・水瀬いのり」を追い続ける。

 

というわけで、今年も素晴らしい曲たちと巡り合えたので、このテーマとしては、私はかなり満足のいく年だったのではないかと思っている。
最後に一つ、番外編として以下を取り上げたい。

「乙女のルートはひとつじゃない!」/angela
「BAD END」/蒼井翔太

どちらもアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』のテーマソングで、実はこれらも飛ばすことができない曲だった。
理由はわからないけれど、アニメが放送されていた今年の春から夏にかけて、私の頭の中を流れるBGMはほとんどがこの二曲だった。
非常にキャッチーというか、特徴的というか、印象に残りやすかったのだ。
個人的な好みにはそれほど合致していないので、お気に入りというわけではないのだけれど、どうにも一年を振り返ってみると引っかかったのだ。ランキングには入らないものの、番外編として書いておきたくなるくらいに。

アニメのOP曲やED曲というのは、放送中は好きとかそうでないとかで盛り上がるものだけれど、何年後かに思い返す際にはアニメそのものの印象と遜色ないくらいに重要な取っかかりとなる。曲を聴くだけでどんな内容だったかをなんとなく思い出したり、あるいは当時の自分自身の境遇を記録する入れ物のような効力を持っている。
だから、印象的な曲というのはいくらあってもいいのだ。
私はアニメ本編に期待するのと同じくらい、アニメの楽曲から受け取る素敵な思い出を期待しているのかもしれない。