K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

髪の伸び

昔から、およそ二か月の間隔で髪を切りにいく習慣なのだけれど、最近どうにも髪の伸びる速度が異様に速い。
前回は五月の下旬だったので、タイミング的には三週間後くらいがちょうどいいはずなのだが、もう切ってしまいたい心境になっている。
この蒸し暑い時季だから、なおさらそう感じるのかもしれない。しかし、いくらなんでも速すぎるので、体質が変わった可能性がある。

 

以前、切ってもらいながら聞いた話によると、私の髪質は細いほうらしい。しかし、切ってからそれほど時間が経っていないのに、すぐにモッサリしてしまう。
剛毛ならば伸びが気になるのも理解できるけれど、そうではないのだから納得がいかない。
単純に伸びるのが速いだけなら、まだよかったのだけれど、全体的に密度が増していくものだから放置しておくわけにもいかない。
ドライヤーで乾かす時間は増えるし、おそらく汚れが溜まりやすくなる。切った直後に比べて頭が痒くなるまでの時間が短いから、ちょっと困ったものだ。
一般的には毎日シャワーを浴びるのなんて当たり前なのかもしれないけれど、ずっと家に引きこもっていたら汗もかかないし、頻度が減るのは別に不思議なことではないだろう。

あまりにも怠惰が極まって二日三日そのままでいると、流石に臭いが鼻につくし無意識に頭を掻いてしまうため、清潔感とは程遠い振る舞いをすることになる。
本当は毎日ちゃんと洗うべきなのだと、わかってはいるものの、私の中にある面倒くさがりな性質がその習慣を阻んでくるから難しい。
当然、外出する時にはシャワーを浴びていることが前提となっているので、汚い状態で人前に姿を晒すことなんてないわけだが、まぁこれは急な訪問に対応できず居留守を使っている一つの理由でもある。
ひょっとすると、自分では気づかない汚れや臭いが部屋の中には無数に存在していて、誰かを招いたら怪訝な顔をされるかもしれない。呼ぶ相手なんていないから、無駄な想像ではあるけれど。

 

髪が伸びる理由を調べてみたら、合っているんだかいないんだか、判断に困る情報が手に入った。
簡単に言えばストレスが少なく、睡眠時間が十分に満たされていて、健康的な食生活をしていれば伸びやすいということらしいが、はたして私の場合はどうだろうか。
ストレスに関しては、まぁ多少は感じることはあるものの、一般的な社会人と比較すれば皆無に近いと言っても過言ではないかもしれない。仮にストレスを感じても解消する時や場所、手段に困らないから、精神に蓄積されていくこともほとんどないだろう。
一方で、睡眠時間は必ずしも充実しているとは限らない。そもそも毎日、決まった時間に寝起きできているわけではないし、絶対に七、八時間の睡眠を確保しているわけでもない。ほとんど眠らない日もあれば、半日以上を睡眠に費やす日もあって、平均すれば悪くない数字になる可能性もあるけれど、決して健康的とは言えないだろう。
そして食事は悲惨な状態で、基礎代謝分すら摂取していない日が珍しくないだけでなく、それなりに食べる日でも栄養に偏りが出がちだから不健康としか言いようがない。実家で両親が作ってくれた手料理がどれだけ尊いものであったのか、よく実感している。

というわけで、髪の伸びやすい条件をたくさん満たしているとは思えない私ではあるのだが、実際には以前よりも伸びる速度が上がっているので、どうにもストレス要因が非常に大きいのではないかと思わないでもない。
単純に勘違いという可能性もあるから、なんとも言えないところではあるし、今後も観察を続ける必要はありそうだが。

ああ、でもやはり、決まった時間に早起きをして出勤を続ける毎日は、今から思えばありえないほど苦痛に満ちていた気がする。
解放されたフリーな状態を知ってしまった今ではもう、あんな生活は真似できる気がしない。