K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

おそらく手を出すことはない

先月の下旬に発売されてから、ゲーム配信界隈で中心的コンテンツとなっている『エルデンリング』だけれど、一か月前の段階では、いずれ私も遊ぶだろうと思っていた。
すぐに買うことはないにせよ、ダクソシリーズやSEKIROに熱中した自分にとっては待望の新作だ。やり始めたら絶対にハマるだろうし、どう転んでも楽しいに違いないという確信がある。
だからこそ、最近では逆に無理なのではないかと考えるようになった。

 

このインターネット全盛の時代に、人気ゲームについて完全な情報遮断を行うことは不可能だ。
Twitterでは意図せずゲームのプレイ動画が視界に入ってくることがあるし、それ以外でも何気なく開いた5chやYouTubeなど至るところで情報に触れる機会が発生する。
そもそも初めから、ネタバレを回避しようなどと思ってはいないのだ。別に、見てしまっても構わない。

完全初見プレイにこだわるのであれば、発売と同時に購入して、すぐにゲームの世界に突入する必要がある。
金がない、時間がない、と適当な理由を付けて自らプレイする状況を作らないようにして、特に目的もなく他人のプレイ動画を摘み食いしている私は、最初からプレイヤーとして真摯ではなかった。
私にとって『エルデンリング』が真に重要なコンテンツであると認識していないことの証かもしれないが、私が細かいことに拘泥していない場合、その選択はひどくいい加減なことが多い。
誰かのプレイを見て、新鮮な気持ちで自ら遊ぶ機会を失ったと残念がることもない。それはそれで、普通に楽しめてしまう。
だから思うのだ。もう、やらなくてもいいのではないかと。

最も大きな要因は、そのボリュームにある。
過去の作品たちは、急げば数日でほとんどのボスを楽しみつつ終盤まで進められるくらいの規模感だった。
シリーズ初心者だった頃の私でさえ、休み休み進めつつ開始からクリアまで数週間だった記憶があるし、プレイ時間に換算すると長くても二、三日分といったところだろう。
ところが本作は、そのいずれをも圧倒的に上回るボリュームがある。広大なフィールドの各所に強力なボス格が大量に配置されていて、すべてを蹂躪しようとすれば莫大な時間と労力が要求されることは、既に明らかになっている事実だ。
最短ルートで効率的に進めたら過去作と大差ないのかもしれないけれど、実際にゲームを遊ぶ際には理論値など意味がない。
とりわけ、オープンフィールドチックなゲームにおいては寄り道にこそ醍醐味があると言ってもいいくらいなのだから、うっかりゲームを始めてしまったら、どれだけ長い時間を吸われることか……ここは個人差が大きく出るところだと思う。

そういうわけで、最悪の場合一か月どころでは済まない可能性が高いため、迂闊に触れるべきではないと結論づけた。
いくら楽しみに満ちたコンテンツとはいえ、貴重な自分の時間には限りがある。趣味としてはコスパが良いのかもしれないが、他にもっと時間を使いたい事柄を大量に抱えているわけだし、長い目で見ると損失が大きいような気がしてならないのだ。
だから今のところは、誰かの動画を見ることによって刹那的なプレイ欲を満たすことにする。

 

ひょっとしたら、来年か再来年あたりにSteamのセールで半額とか、もっと安くなっていたら購入を検討する可能性はある。
ガッツリと作品全体を楽しむというよりは、ボスを倒す達成感目当てになりそうではあるが……既に出ているであろう攻略情報を適宜参考にしていけば、今から始めるよりも盗まれる時間は抑えられそうだし、深くハマりやすいけれどカジュアルに遊びたい私としては、悪くない選択に思える。