K's Graffiti

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アリエス杯準備

四月のチャンピオンズミーティング・アリエス杯のレギュレーションは、中山・芝・2000m・右回り・春・晴れ・良バ場、ということで……待ちに待った中距離、皐月賞をモチーフにしたレースとなる。
昨年の五月から始まったチャンミも、今回で一周する。来月から大きく仕様変更が入る可能性もあって、個人的にはある意味で最終回的な気持ちを抱いている。

 

過去の中距離チャンミにおいては、初回のタウラス杯は私も含めレースシステムに対する知識が乏しく、ウマ選びから育成方針まで混沌としていたような気がするけれど、夏以降は何が強いのかハッキリしてきたこともあって、レオ杯スコーピオ杯と環境を支配していたのは逃げ……というより水着マルゼンスキーだった。
新しいウマやシナリオの追加、スキルのバランス調整などを経て、現在は水マル一強体制ではなくなったように思うが、依然として仕上がった彼女は多くの勝利を持ってきてくれるだろうというのが、現時点での所感ではある。
まぁ相変わらず育成の難易度は高そうなので、気軽に手を出すと相当な時間を奪われそうな雰囲気はあるし、昨年の後半は半分近くが水マル育成だったこともあって、気が進まないところではある。

何より、クリスマスオグリキャップという存在の登場によって、中距離は前回から大きくトレンドが変化している。
効果が速度加速複合の固有スキルであり、スリーセブンによって順位にかかわらず発動位置を固定できるところが最大の強みで非常に安定感がある。
他の距離でもランダムなスキル発動によって爆発力を発揮することはあったけれど、このウマが真に輝くのは、スキルの不発さえなければ確実に終盤接続ができる中距離なのだ。
できるだけ運任せのパチンコをしたくない私はマイルや長距離では採用しなかったけれど、流石に今回は使わざるを得ないと感じた。クリオグリを仕上げるだけで、決勝はともかく予選では相当な勝率を稼げるだろう。

問題なのは、どちらかというとクリオグリ以外の編成をどうするかという悩みだ。
どうしても勝ちたいという人や、今の段階でルームマッチを回している人は逃げ2クリオグリという形が多そうだけれど、正直この時期のルムマ環境は本番に直結しないことが多く、猛者ばかりのレースを想定しすぎて認識を歪めるのは健全ではないと考える。
基本的には、ガチでやっている人間にとって決勝の相手は大半が格下なのだ。見据えるべきは格上対面よりも、同格以下が多いシチュエーションとなる。

逃げは育成が大変かつ、先頭しか勝利に絡めないという点、さらに数が増えると乱数による紛れが発生しやすくなることから、初めは採用しないことも検討していた。
クリオグリ差し2編成は、前が少なければ少ないほど勝ちやすくなるから、格下の多い本番では通用するだろうという考えだ。
実際にどうなるかは、今のところわからない。後ろはどうしても脚質分布に依存することになるから、逃げ2よりも安定感が落ちるのは当然の話で、結果的に足を掬われる可能性を自ら作ってしまうかもしれない。
ただ、大半のレースはクリオグリが勝つと仮定して、もしスキル不発などで事故った場合に限り相手のクリオグリに負けない筋を残すとしたら、最大値の高い差しなのではないかと思ったのだ。
しかし、対面が両方とも逃げ2クリオグリを使ってくるパターンが少なくなかった場合、差し2にとっては厳しい状況が続くことになる。ほとんど何もできない可能性が高い。
また、全員が差しに偏った場合にもクリオグリの先行争いが発生して、「幸運な先行」に選ばれるのに失敗した瞬間、格下のクリオグリに悠々と勝ちを持っていかれる負け筋を作ることになる。

結局、考えれば考えるほど逃げ2も差し2も自分の中では積極的に選びたい編成ではなくなってしまった。
残るは、逃げ1クリオグリ差し1という、器用貧乏になりかねないけれどバランスは悪くなさそうな戦略だった。
逃げの候補は初期スキルが揃っているバレンタインミホノブルボン、差しの候補は加速の固有スキルを持つメジロドーベルか、右回りの鬼を持っているサトノダイヤモンドだ。
まぁ好みの問題で、完成させられるならダイヤちゃんを使いたいという気持ちが強いのもある。

 

さて、今回はいつものように目標ステータスの表を貼ることはない。なぜなら、スピードパワー賢さの3種はカンスト1200が前提になる上に、クライマックスシナリオの育成でスタミナが不足するとは考えにくいからだ。
レーニングの寄り方によって多少の欠損はあるかもしれないけれど、スピード1200は絶対だし、パワー賢さも最低1100以上はないと厳しいだろう。
それくらいに、上位層にとってはステータスが盛りやすく、差がつきにくい環境になっている。

その代わりに、各脚質のトップスピードについて、某エミュレータを使って検証してみた。単位はm/sだ。
距離適性AとS、春ウマ娘など緑スキルの有無でどれくらいの差が出るのか、そして距離Aスピ1200を基準としてスピード換算の実数値はいくらになるのかを算出している。
想定ステータスは、
1200/-/-/600/-
となる。
最高速度に関わるのはスピードと根性なので、他はなんでもいい。とにかく適性と緑スキルの差を比べたかった。

アリエス杯最高速度比較表

一目瞭然だが、結論から言うと、何がなんでも中距離適性はSにしなければならないということがわかった。知ってはいたけれど、思っていたよりも差が大きい。
これまで距離Sは、おおよそスピードが1.1倍になるという認識だったけれど、コース補正がかかるレース(今回の中山2000だとスピード参照)だと、その分だけ上昇するらしい。また、内部的に緑は40相当という認識も間違いではないけれど、純粋な上昇値ではなく計算式に入る値ということで、実際のトップスピードに直すと若干の弱さを感じる。
要するに、素の値こそが最も強力でありカンスト必須、そして緑で適性の差を埋めるのはほとんど無理という結果となった。

一応、距離Aでも右回り◎春ウマ◎良バ場の鬼で、何も積んでいない距離Sは上回れる。しかし、決勝で当たる相手は流石に距離Sに加えて緑を複数持っているだろうから、距離Aで勝ちきるのは難しいのではないかと思う。
同じく緑完備の相手に対しては、およそ1.5バ身の差が生じる。理論的には、中盤速度スキルと終盤加速スキルによって、それ以上の距離が稼げるのであれば大丈夫ではあるけれど、全員のステータスが似たようなものになる以上は1.5バ身以内の接戦になる確率も低くないだろうし、負けたくないのなら継承を妥協するわけにはいかない。