K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

些細な苦痛を嘆く

出かける面倒くささを語るのも、身体の不調を虚空に訴えるのも、頻度が少なければその時々の状態を示唆する「日記」となるけれど、あまりにも頻繁に続けば文章が持つ特別な意味は薄れていく。
今日は良いこと悪いこと両方が起こったのだが、後者のほうが後だったせいで、これを書く頃にはすっかり気分は後ろ向きとなってしまった。
こんなことなら、わざわざ寝る前に時間とエネルギーを使う必要なんてないのではないか……まぁこんなことは、日課に対して思うべきではないのかもしれないが。

 

そういうわけで限界が近いため、珍しく手短に終わらせるつもりではある。
はっきり言って、具合は悪い。
昨夜は本当に疲れて眠かったはずなのに、なぜか横になってから睡眠状態に移るまで一時間以上を要することになり、外が明るくなり始めてからは気温の上昇に加えて、隣人の起床音だか外出音だか、とにかく普段なら大して気にしないような生活音の一種を頗る不愉快に感じて、想定よりも随分と早く目覚めてしまったのだ。
二度寝しようにも、そういうコンディションではなかった。寝不足なのに眠れない苦しさは、睡眠に問題を抱えていない健康優良児には理解できないだろう。おかけで昼間からずっと頭の中は冴えないまま、目蓋は重く、まったく活動的になれないまま夜を迎えてしまった。

一切の雑音が耳に入ってこない、理想的な環境はないだろうか。
自分以外の人間が無数に生きている広大な社会の内側に存在している限り、自らが許容できない音から逃れる術などない。そんなことは、とっくに知っているはずなのに。
私の理想は、なかなか叶わない。それはいつも、高すぎるから。常識外だから。マイノリティだから。

 

耳を完璧に塞げれば、また状況は変わっただろう。
どうやら私は耳の穴が小さいようで、耳栓を着用していると痛みに朝まで耐えられない。痛くて、痛くて、それがきっかけでやはり目を覚ましてしまう。
耳の穴に負担をかけない小さいタイプの耳栓を試してみたこともあるのだが、それではあまりにも音の侵入を防ぐには心許なかった。
雨音や風音といった自然の音色、自動車などの走行音やエアコンの稼働音など機械的な音の響きは、大して問題にならない。
不規則で振れ幅のある、人間の発する音のみが私を苦しめるのだ。

これでも、幼少期よりはマシになっている。
昔は、どんな音に対しても鋭く反応していたらしいから。生まれつきの神経質な特性は、時を経て徐々に性質を変えてきた。
ただ、それでもやはり、私の鈍感さは一般人の水準に遠く及ばない。