K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

心拍数

一般的に、運動が習慣となっている人は心臓の筋肉が鍛えられているから、血流が良いため心拍数が少ない傾向にあるらしい。
一方で、運動不足気味の人間は高くなりがちということで……私は平均的な数字よりも、おそらく回数が多いように思う。
昔から痩せているせいなのか知らないけれど、胸や手に触れることなく自分の拍動を自然と感じ取ることができていた。だから、暇な時には心拍数を数えることがクセになっていたのだが、そういえばここ数年は以前よりも回数が増加したような気がする。

 

サイトによって異なるが、いくつかの専門的なページを調べたところ、平均値は分間60~80回程度だということがわかった。
心臓の強いアスリートなんかは50台や40台もあるみたいで、身体の作りが根本的に異なるのだろう。私とは随分と差がある。

一日のうち、どのタイミングが最も安静な状態なのか、心拍数が安定しているのか、これは人によって変わるところだろう。
自律神経次第なので、たとえば寝起きが最も落ち着いている人もいれば、昼間や夜中に心拍数が低下する人もいる。
私の場合は……どうだろう。
試しに、起きて間もないタイミングで数えてみたところ、80~90回の間を推移していた。これは、やや多いと言えるだろう。
特に激しく動いた後というわけでもないし、緊張しているわけでもない。椅子に座って、主観的にはリラックスできている状態だった。
もう、かれこれ十か月近くもまともな運動をしていないのだから、当然の話ではある。簡易的な判断ではあるが、心肺機能の相当な低下が見受けられる。

起きてから数時間が経過した頃に、もう一度だけ数えてみた。
良くも悪くも、先ほどとは身体の状態が少し異なる実感はあった。
起床後とは明らかに血の流れが変わっている。原因は不明だけれど、リラックス状態が長く続いたことで緩慢に安定したのかもしれない。
もう完全に不健康だと思い込んでいたのだが、コンディション次第では60台という数字になるということが判明したのは大きい。
生涯の心臓が動く回数は決まっているという、ある種の迷信めいた話がある。ひょっとしたら、まだまだ寿命を伸ばせる可能性は残されているのかもしれない。

夜になって再び数えてみたら、また80回以上のペースに戻っていた。心臓が落ち着いていられるのは、一日のうちで限られた時間だけなのだろう。
結局、平均値を出したら明らかに常人よりは多いのだと思う。アップルウォッチなどの、健康状態を監視できる装置を身に着けていれば、眠っている最中を含め細かく具体的に把握できるはずだが、まぁそこまで強いこだわりはない。
腕時計を使う習慣のない私にとっては、常に腕の周りに物質が付着している感覚は耐えがたいだろうし、そもそも滅多に外出しないのだから買う意味がほとんどないのだ。

 

随分と前の話だが、小学校低学年の頃に実施された健康診断において、心臓関連の問題を指摘されたことがあった。
精密検査の結果は問題なし、ということだったけれど……現在までの人生を振り返ってみると、やはり一切の問題がなかったというわけではなかったのではないかと、思わずにはいられない。
というのも、心拍数の急激な変動や奇妙な動悸など、心臓に対する不安を感じることは私の非日常ではなかったからだ。

体育の授業や、あるいは集団行動の一環として行われるレクリエーションにおける運動において、その能力が他より劣後していると感じたことはほとんどなかった。
生まれつき、いわゆる運動神経というものが優れていたのだろう。幸運なことだ。身体を動かすことは得意だったし、その際に心臓絡みの不安を抱えた記憶はない。
ただ、なんでもない日常生活で、たまに私の胸部は不規則な反応を示してきた。
しかし、若い私はわざわざ病院に行くことはない。幼い頃の精密検査以来、まともに心臓の状態を知る機会なんて作ってこなかったのだ。

定期的な運動によって問題が根本から解消するのか微妙なところではあるが、とりあえず近々、例の散歩を再開しようと考えている。
もしこれが軽い不整脈のようなものだとしたら、胸を張って若いとは言えなくなってくる今後は、異変を軽視すべきではないだろう。