K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

Mリーグ開幕

昨日から2022-23シーズンのMリーグがスタートした。
毎年、秋に始まり次の春まで続く、注目度の高い競技麻雀コンテンツ……8チーム32人が実力と運の掛け算を武器にポイントを奪い合う競技シーンにおいては、素人の麻雀ではなかなか見ることのできない、劇的な展開が少なくない。
はたして今シーズンはどのチームが栄光に輝くのか、楽しみに見ていきたい。

 

私がプロの麻雀に興味を持ったのは今年の春からなので、ちょうど時期的には昨シーズンのファイナル真っ只中というところだったのだが、当時は強運の怪物たちが極限まで点数を競う別世界の出来事という認識しかできておらず、取り立てて特定のチームや選手への愛着はなかったように思う。
ただ、昨シーズン終了後からはYouTubeの切り抜きや、夏には神域リーグなどを見てきたので、各チームの特色であったり選手たちの性格であったり、ある程度は深く楽しむための知識を付けることができた。
今回、開幕から追うことになるのは初めてなのだけれど、自分の中では半年前と違って、好きな選手や応援したいチームがぼんやりと出来上がりつつあるので、時には喜び、時には残念がることもあると思っている。

昨日と今日、それぞれ2試合が組まれているので4試合が消化されたわけだが、Twitterのトレンドにもなったように、既に非常に大きな盛り上がりを見せている。
特に、昨日は四暗刻が飛び出す大味な対局だったから、見ている側としては自然と興奮してしまう内容だった。
麻雀というのは基本的に運の要素が強く、配牌やツモの偏りによって大きく結果が左右されがちなので、一度の半荘では実力が十分に出るということはない。それでも、それぞれの打ち方、攻撃的なのか防御重視なのか、相手の思考や状況を読む力によって、より良い結果を手繰り寄せられるかどうかが決まってくる。
たった数回の選択では誤差だとしても、長い目で見ていくと確かに「実力」が浮き彫りになっていくのが麻雀というゲームなのではないかと思うのだ。
そういう意味では、開幕戦は良くも悪くも、多くのファンが期待している、予想している形に近い結果で終わったと言えるかもしれない。

日記でも何度か書いたけれど、私は一時的、雀魂というゲームを遊んでいた。今年の春頃から、確か夏の半ばくらいまでの話だ。
段位戦という、勝ち負けの結果からレーティングによって格付けされるモードがメインコンテンツのカジュアルな麻雀ゲームなのだが、やっていて感じたのは、プロの競技麻雀とは異なるスキルが要求されるということだ。
どちらも運によって決まる部分が大きいのは変わらないが、ゲームの場合、運が自分に寄ってくるのを待つ忍耐が特に求められる。時間をかけて何度も半荘を消化していき、なるべく負けないようにしながら少ないチャンスを活かす。
少しずつ点数を積み重ねていって目指すのは「魂天」という輝かしい頂なのだが、そこに到達するには莫大な時間と体力を浪費する羽目になるため、私は深みにハマる前に辞めることにした。

一方でリアルの対人戦となると、戦っている相手の息遣いや所作、顔色、気配などを読み取って場の流れを把握する技術が要求される。たとえ運が向かなくても、目の前の変化から得られる情報を駆使することができれば、最悪の事態を回避することも可能なのだ。
過去の対局や成績を見ていると、ネット麻雀よりも実力が出やすい環境なのだと私は感じた。だからこそ、気に入った強い選手を応援するし、期待している活躍が見たいと思うのだ。
ガラの悪いギャンブルではなく、真剣な頭脳スポーツとしての魅力を広く知らしめたという意味では、Mリーグの影響はとても大きいだろう。

 

さて、Mリーグを見るのが面白い、という話がしたいだけだったのだが、開催スケジュールを確認してみると、想像していたよりもタイトな日程が組まれていることに気づいた。
基本的には毎週4開催の8試合、つまり全部を見ようとしたら、一週間のうち半分以上は夜の時間をMリーグに捧げなければならないことになる。
流石に暇を作りやすい私といえど、これを網羅するのは難しいと言わざるを得ない。
そういうわけで、見たい選手が出る試合だけ見るという方針を取りたいのだけれど、困っているのは試合直前にならないと出場選手が明らかにならないという点だ。
まぁ事前に知らされたところで自分の予定を変更するということはないだろうが、なんとなく夜の時間をMリーグに使える日と、そうでない日というのはあるものだ。
毎晩、張り付くわけにもいかないし、たまたま積極的に見られる日の対戦カードに魅力を感じなかったり、見逃した日に面白そうなシーンが連発したりする可能性も大いにあるわけだ。これは難しい。

長く楽しむ上で、自らにとって見ることを重荷にしないためには、真剣になりすぎるよりも「ながら見」を基本にするくらいの気持ちのほうが健全なのかもしれない。
名シーンは後から確定で切り抜かれるわけだし、全部を頑張って追う必要なんてないのだ。
様々な趣味を楽しむためには、適度な時間の節約も重要……という考え方は、まさに最近の若者が好む傾向で上手く馴染むことができていなかったけれど、アニメや映画といった創作物を対象外にすれば、意外と悪いものではないような気もしてきた。