K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

新たな関心の高まり

あまりにも元気のなかった昨夜から一転して、今日は珍しく自分の中に一定以上の体力を感じている。
寝起き直後は特別に好調という感じはしなかったのだけれど、運良く夜間に隣人の妨げがなかったこともあって熟睡できたらしく、慢性的な疲労が多少は解消されたようだ。
ただ、実際のところ肉体は思うように動かない。なぜなら、半年以上ぶりのハードな散歩によって足腰の筋肉の大部分が破壊されてしまったからだ。

 

私がもっと若ければ、昨日のうちに強烈な筋肉痛を味わっていたのだろうけれど、運動後24時間以上が経過してから痛みのピークを迎えていることを鑑みるに、そろそろ加齢を認めなければならないだろう。
世間一般の感覚からすれば、まだまだ「若い」と見られることに変わりはないのだが、今後ますます身体の衰えと向き合わなければならないと思うと、流石に気分が落ちこんでしまう。
まぁそんなわけで、少しでも動こうとすると痛みに押さえつけられる一日ではあったが、そもそも普段から大部分を椅子の上で過ごす私にとって、筋肉痛は大して問題にならない。
どちらかというと、起床してから頭を覆い続けるような気怠さをほとんど感じることがなかったという点で、今日は素晴らしい日だったかもしれない。雨が降っていて気分が明るくなることはないし、相変わらず食欲は弱くて体重は軽い。だから決して万全とは言えないわけだけれど、アクティブな時間帯に余計なストレスを感じないで済むというだけで、私はささやかな幸せを感じることができるのだ。

さて、そんな私が最近ハマっていること……というか、昨年あたりと比べて頻度が増えた趣味があることに気づいた。
それは、音楽を聴くことだ。
毎日、欠かさず電車に乗って移動する習慣があった頃は当たり前のように存在していた音楽との関わりが、ここ数年はすっかり失われてしまっていて、相当に気分が向かなければわざわざ何かを聴こうとすることなんてなかったのだけれど、振り返ってみるとここ数か月の間に音楽をかなり聴いているようだった。
音楽、と言っても若者に流行りの楽曲を漁っているわけではなくて、たまたま見つけた自分の感覚に合う曲ばかりではあるのだが、聴くようになった理由としては、YouTubeの視聴時間と密接な関係がある。
一昨年、昨年、そして今年、と自身の日常的な行動について考えてみると、YouTubeに費やす割合が右肩上がりで増えている。これ自体は現代人っぽいというか、令和らしいというか、特に珍しくもなんともない現象だろう。
しかし、その中でも音楽関係の動画が増えていった背景には、おそらく一部のVTuberに興味を抱いたことが影響しているに違いない。以前、どこかの日記で言及したように思うが、まだ春になる前くらいからVの配信を不定期に覗くようになり、それは今でも続いている。

 

そうそう、先日『【推しの子】』を視聴したと書いたけれど、ここ数日は「アイドル」ばかり聴いている。
本家MVがバケモンみたいな勢いで再生数を伸ばしているから、むしろ知らないほうがおかしいみたいなところはあるかもしれないが、歌の難易度に反してかなりの数の「歌ってみた」が投稿されているから、自然とYouTubeのホーム画面におすすめとして上がってきてしまうのだ。
アニメを見るまではなんとなく敬遠していた私も、コンテンツに触れたことで枷が外れて、気軽に見られるようになった。
個人的に、この曲を存分に味わうためには『【推しの子】』を知っていること、さらに言えば原作者の書き下ろし小説を読んでいることが前提になっているような気がするのだが、世界的なヒット状況を見るに、曲単体でも十分な魅力に満ち溢れているらしい。

実は、アニメの前に一度だけ聴いたことがあったのだけれど、これほど話題になるほどのものだろうか……と若干の逆張り精神が働いてしまって、上手く評価を定めることができなかった。
私の感性が時代に合わなくなっている……なんて、いやいやそんなはずは。というわけで、アニメと小説を満喫してから、あらためて楽しむことにしたのだった。
ここまで自らお膳立てしてしまうと、もはやポジティブな感想しか引き出すことはできない。加えて、どうやら「アイドル」はスルメ曲だ。聴けば聴くほど好きになっていくではないか。
間違いなく、今年を代表する楽曲の最有力候補になるし、年末は紅白で歌われているだろうし、後年にも語り継がれる名曲という位置付けになるだろう。

ここまでハマると、つい口ずさみたくなるのが人間の性というものではないだろうか。
少なくとも私は、昔から好きになった曲について一定期間は脳内再生を止めることができなかったし、いつの間にかソラで歌えるようになっていた。
壁の薄い自宅だと環境的に推奨されないため声に出すことはないけれど、頭の中では無限にメロディーが流れている。夢の中ではBGMになっていた気さえしてくる。
ふと思うのだ。歌いたい、と。
かつて、私はカラオケに熱中していた時期があった。暇が出来ればカラオケボックスに向かって、喉が潰れるかどうかの限界までヒトカラに励む。
あまり他人と会話することのない私にとって、好きなだけ声を出せる機会は貴重だった。誰にも見られず、好きな曲だけを全力で歌い上げる心地好さは、他では味わえない。
「アイドル」に限らず、最近は新しく覚えた曲が多いし、自分の中に歌いたいストックが蓄積されつつあるのを感じる。ああ、解放したい。

不安があるとすれば、すっかり出不精な生活が定着しきってしまい、外出を極端に億劫と感じるようになった私が、面倒を厭わずカラオケまで足を運べるかどうかという点、それと対人コミュニケーション能力が落ちまくっているから、店員との些細なやり取りすらネガティブに捉えてしまうそうな点も心配される。
経験上、実際やってみれば何も問題にならないであろうことは知っているのだが、その段階に至るまでのハードルが、おそらく人生で最も高くなっているのだ。

まぁ自分で歌う機会を作れるかどうかは置いておいて、今後しばらくは生活の一部に音楽が入り込むことになるだろう。
かつての趣味を取り戻していく感覚は悪いものではないため、音楽以外のジャンルにも少しずつ、再び手を伸ばしていきたいと感じる今日この頃だった。