K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

生存記録(20230830)

好意というのは不思議なもので、反転することがある。
適切な具体的を挙げるのが難しいため抽象的な話になってしまうが、好きだったものや気に入っていた対象に関する嫌な側面を観測したり、自分の中にある理想的な像から変化していることを認識したりすると、途端にその感情がネガティブな方向へと一気に振り切れてしまう……なんてことが、まぁ珍しくもない事象だろうと思う。いわゆる反転アンチというやつだ。
物事は徐々に変わっていくものだから、好きだと思うその感覚のピークが永続的に維持されるわけではないし、もし好きではなくなったことに気づいたのであれば、緩やかに無関心へと状態を移していくのが、おそらく健全な対処法だろう。
ただ、熱中の度合いにもよるけれど、ねじれた人間の感情というのはそう簡単に処理できる代物ではない。それが単純な「想い」だけで成り立っているのであればまだしも、場合によっては膨大な時間や金銭が費やされているわけだから、特定の対象を好きではいられなくなった者の悩みは、本質的な意味で他者が理解するのは難しいのだ。
最近、どうやら私もそれに近しい経験をしていて、どうしたものかと勝手に葛藤している。本当に、心の底から嫌になったのなら、視界に入らないようにすればいいのだ。一切を遮断する。感情を抜いた客観的な判断をするなら、そういうことになる。
しかし、完全に心が離れるには時間が足りないのだろう。新しく情報が出るたびに、つい気になって覗いてしまう自分がいる。そして毎度、気に食わない点について心の中で無数に指摘しながら、悶々としたまま目を閉じるのだ。我ながら、人の心は難しい。