普段からテレビを見ないというのは、令和の若者としては珍しいことではないだろうけれど、私の場合はSNSに対しても関心が薄いため、正直なところ最近の世の中の……なんと言えばいいのか、世間全体に漂う空気感のようなものを掴めずにいる。
インターネット社会である現代は自ら積極的に情報収集をせずとも、SNSで他者との繋がりを作っていれば、受け身のままで一定の情報を得ることができる。ちょっとした暇潰しに、XのTLを眺めたりトレンドをスクロールしたりして、ざっくりと視界に入ってくる有象無象を把握しておくだけでも、簡単な世間話をするには十分な材料が手に入るのだ。
それをしない私は、気まぐれで興味を抱いた対象に関する要素しか新しく頭に入れることがない。自身に不要な情報の一切を遮断することで何が起こるかというと、やや過剰な表現をすると、浦島太郎になれる。ネット断ちをしているわけではないから大袈裟だと思われるかもしれないが、よく見るYouTubeは自分色にカスタマイズされているし、Xは検索目的でしか使わない。ニュースメディアに触れている時のように、次々と最新情報が入ってくるわけではない。だから、たまにしっかりと「インターネット」をすると、話についていけないのだ。数週間遅れとか、もう誰も話題にしなくなってから、ひっそりと事実を確かめる。
そんな風に過ごしていると、曜日感覚だけでなく月日の感覚も失われて、いつの間にか自身の認識よりも随分と時間が進んでいることがある。なんと、そろそろ長い夏も終盤らしい。先月や先々月ほどではないにせよ、今月は今月で普通に生命維持活動をするのに精一杯だった。来月は生きるだけではなく、プラスアルファで何かを達成したいところだ。
