K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

生存記録(20240104)

今朝、物凄く壮大な夢を見たのだが、実際には就寝してから数時間しか経過していなかった。夢あるあるの話ではあるけれど、頭の中で展開される物語というのは自分で思っている以上に、現実世界とはまったく異なる時間の流れに基づいているのだと実感した。
どれくらい壮大だったかというと、例えるのが難しいが、長編小説一本分にも相当するような、あるいは2クールアニメ24話分にも匹敵するような、とにかく膨大な情報量と密度で構成されていた……ように私は感じている。少なくとも寝起き直後の感覚としては、長大なストーリーを満喫した後の余韻に近いものがあった。
ふと、この物語を事細かく記録することができていたら、そして漏れなく文章としてアウトプットできるなら、一躍大人気作家にでもなれるのではないかと思った。現実には、起き上がった次の瞬間から大部分を欠落していってしまったので、その全容を誰かに伝えることは不可能になったわけだけれど、多くの作品に触れてきて舌の肥えている私が、夢の中という尋常ならざる状態とはいえ心の底から面白いと感じた作品なのだ。今日ほど、夢を留めていられない脳構造に悔しさを覚えたことはないかもしれない。
こうした現象を、ひょっとしたら天啓と表現するのだろうか。この世には様々なクリエイターが存在しているけれど、中には夢で見た素晴らしい出来事を喪失することなく、上手く具象化させることに成功している人がいる可能性だってあるだろう。ああ、意図的に夢の中から情報を取り出せるようになれば、この頽廃的な現実世界を多少は豊かに彩れるようになる気がするのに……なんと、もどかしいことか。
ただし、忘却したのは事実ではあるが、そもそも夢の世界を構築したのは紛れもなく私の脳であり、想像力であるわけなので、ポテンシャルという観点から評価するなら、同一の物語とはいかないまでも、類似する世界観を形作ることは決して不可能ではないだろう。夢とは違って勝手に映像化して展開してくれるわけではないため、地道にアウトプットを積み重ねていく必要はあるが、最近すっかり発想力が錆びついてしまったと思い込んでいた私の頭も、案外まだ捨てたものではないのかもしれない。
ちなみに念のため書いておくと、これが今年の初夢というわけではなかった。初夢の内容については……一応ぼんやりと覚えてはいるのだが、非常に癖の強いニッチな描写に富んでいたので、長くなってしまうし今回は控えようと思う。