K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

生存記録(20240124)

普通の人に体重を増やす方法を尋ねたら、食事の量を増やせばいいという回答が返ってくるだろう。ただ、私の体質に当てはめて考えると、それは必ずしもベストではない。
年明けから筋肉増量を目的とした下半身の地味なトレーニングを、嫌にならない程度の軽い負荷で続けているのだけれど、相変わらず自覚できるほどの変化は生じていない。先日も書いたように、激しい筋肉痛に襲われなくなったことは着実な進歩と言えるから、この調子で徐々に肉を付けていって、増量および体力アップに繋がればいいと思っていたのだが……実際のところ体重そのものに目立った変化は見られていないというのが現状だ。
そもそも体重なんて、時間帯によって1kgくらいなら平気で前後する。食後はもちろん、飲み物だけでも一時的に増えるし、排泄頻度でも変わってくる。たとえば、運良く腹を下さない日に関しては、胃腸に内容物が長く留まることになるわけだから、体重の数字としては高く出やすい。しかし、蠕動運動が活発になりすぎていて、水分まで一気に出てしまうような日は、随分と身体が軽くなるものだ。さらに水分摂取を怠り、そのまま寝てしまった後の翌朝なんかは、驚くほどの体重減少が観測できる。
つまるところ、ちょっとした体重の上下は、全身に含まれる水分量と胃腸の中身によって引き起こされている現象であり、確実に己の骨肉として捉えられる部分を知るためには、もう少し長い期間を要するわけだ。この間、500gほど増えた日があってトレーニングの成果が出たのではないかと糠喜びしてしまったが、ただの誤差だった。毎日、まったく同じ時間に同じコンディションで体重を測れるのなら、より正確な値にアプローチしやすいかもしれないけれど、現実問題として規則正しい生活を送るのは本当に難しい。いったい、いつになったら体重が増えたことを実感できるようになるのだろう。
冒頭の話に戻ると、たくさん食べればいいという理論は確かに一般的には間違いではないと思われるが、私は栄養吸収が極度に苦手な体質ゆえに、過剰分は無駄になってしまうという悩みを抱えている。むしろ下痢によって、本来なら吸収できるはずだったであろう前日分の栄養素さえ押し流されてしまうことが多いため、却って逆効果ですらある。一度に食べすぎるのではなく、食事の間隔を短くして頻度を増やすという方法もあるが、これも著しく体調を崩すため本質的に合っていない。年末年始、実家では普段ならありえないような量の食事を腹に入れる機会があったけれど、ずっと消化のためにエネルギーを取られている感覚があって、決して具合が良好とは言えなかった。
日々、過剰にならないラインの内側で最大限を目指すのが現状の精一杯ではあるが、その見極めは容易ではなく、失敗することも多い。生きるために重要であるにもかかわらず、私にとっては非常に難易度の高い営みだ。人それぞれ直面する困難は違うだろうが、私は食事において「人生ハードモード」を感じずにはいられない。