K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

生存記録(20240327)

月末の水曜日ということでブルアカの新イベントが始まったわけだけれど、既に各所で厳しい指摘が飛び交っているように、イベントストーリーの一部クオリティが著しく低いものであり、流石に私も首をひねらざるを得なかった。端的に問題点を挙げるとするならば、テキストの翻訳に違和感がある、という一言に尽きる。もちろん、世の中に出回っている物語というのは他人の書いた文章なのだから、読んでいて一部の表現に引っかかるという経験は決して珍しいものではない。ただ、今回の問題はそんなレベルではなく、正直なところ表に出していい品質ではないというところにある。
メインストーリーを含め、これまでブルアカのテキストはすべて最初に韓国語で書かれたものを、日本語に堪能な訳者が丁寧に仕上げていた……と私は思っている。まぁ実際の内部体制については知りようもないけれど、少なくとも海外産のゲームとしては、他に比肩するもののないくらい卓越した日本語表現が目立っていて、日本人が原文を書いていると言われても不思議ではない読みやすさがあったのだ。それが、今回のイベントストーリーでは驚くほど違和感に満ちている。まるで適当に機械翻訳したものを校正することなく、そのまま採用してしまったかのような……日本人としては馴染みのない語彙、言い回しが随所に見られるだけでなく、不自然なまでに冗長かつ要領を得ない文章が繰り返されていた。キャラクターの性格やバックグラウンドを無視しているセリフの数々にも、人によっては多かれ少なかれ不快感を覚えることだろう。そんなわけで、物語の大筋としては悪い内容ではなさそうなのに、気持ち悪い表現がいちいち気になって、ほとんど頭に入ってこなかった。
所詮はイベントストーリーなのだから、高品質なテキストに期待すべきではないのかもしれない。過去にもイベントストーリーに関しては不満というか、期待していたほどは満たされなかったことが多かったので、もはや肩の力を抜いて軽く流し読みする程度で十分という気はしている。しかし、それにしても今回のは酷かった。流し読みするのも苦行というか、日本語ネイティブとしてはありえない代物だから、どうしてもツッコミを入れたくなるのだ。
なぜ、こんなものが世に出てしまったのか。誰も指摘しなかったのだろうか。そもそもチェックせずに通してしまったのか……考えるほどに謎は深まるばかりだが、おそらく人手が足りておらずカツカツのスケジュールの中で、強行するしかない事情があったのだろう。今回限りならいいのだけれど、今後のブルアカに名状しがたい不安を覚えた一日だった。