K's Graffiti

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ガルパンはいいぞ

立川シネマシティでガールズ&パンツァー劇場版を観てきた。
通算で9回目の劇場鑑賞となる。

 

2015年から2016年にかけて注目を集めたガルパンの映画は、単に面白いというだけでなく、立川シネマシティをはじめとした複数の劇場が音響へのこだわりをアピールしたことによって集客力を発揮し、異例のロングランとなったことが記憶に新しい。
私も各地の劇場に赴き、そして音響の素晴らしさを堪能したものだった。

特に「聖地」とされる立川のガルパンは、期間限定とはいえ、いまだに年に何度か上映される機会があり、平日にもかかわらず満席に近い人数を集める力がある。
目と耳だけでなく、全身で味わう映画の魅力には、確かな中毒性があるのだ。

しかしまぁ、いい席を予約するのがシビアなこともあって、ここ数年は最終章こそ観ていたけれど、原点とも言える作品のほうはご無沙汰だった。
履歴によると前回が2016年の5月だったので、いつの間にか4年以上の歳月が過ぎていたことになる。全然、そんな気はしないのに。

正直なところ、今日わざわざ観に行ったのは久しぶりに音の震えを体感したいという音響目的が半分以上で、あとはスクリーンが新しくなったシネマシティのaスタジオがどんなものか見ておきたいという動機が大きかった。
実際、スクリーンの位置が高くなったことで、以前より随分と見やすくなったと思うし、映像がとても綺麗に見えた。
音響も4年前にはなかった7.1chバージョンになっていたようで、言われてみれば包み込まれるような感覚があったような気がする。それほど耳がいいわけではないため、厳密にはわからないが。

そんなわけで、それなりの収穫はあったのだけれど、もっと驚いたというか、強く感じたのは、やっぱりガルパンめちゃくちゃ面白い、ということ。
何度も観ているし、面白いのは知っていた。だからこそ、話にはそれほど期待もなかったのに、なんだこれ。本当に面白い。
4年ぶりだからなのだろうか。以前に気づかなかった発見もいくつかあったけれど、そんな些細な事柄とは関係なく、あらゆるシーンにわくわくする。心が動かされる。
観賞後は心から満腹になった気分だった。

尺が1時間程度の最終章各話にも言えることだけれど、ガルパンというアニメは情報量が膨大だ。一度や二度では十分に咀嚼することなど、到底できない。
2015年に初めて観たとき、音の凄さと展開の面白さに感動した。けれど、それ以降は音響を追い求めるあまり、もう知っているからと、話そのものとは真剣に向き合えていなかったのかもしれない。圧倒的な情報量に慣れてしまうことで、少し感性が麻痺していたようにも思う。

だからこそ、4年を経て雑念が取り払われた状態で観た今日のガルパンには、初めて完璧に近いコンディションで臨めたのかもしれない。
話は知っているけれど初見と同じように楽しめる。いや、初見時には気づき得ない細部まで噛み砕いて、膨大な諸要素を一つひとつ享受することができる最高の状態。
まさか、最も熱中していたときには及ぶことのなかった楽しみを、これだけの期間を空けてから経験することになるとは思っていなかった。

名作は何度でも楽しめる。そして時間の経過を利用することで、いっそう深みが増すものなのだと感じた。あらためて、ガルパンはいいぞ
いつになることやら、という感じだけれど、最終章第3話以降がとても楽しみになった。

garupan_ticket

ちなみに、映画館に行ったらHFも観たくなってしまい、現在うずうずしているところなのだけれど、それは後日ちゃんと予定を立てている。観たら感想を書くかもしれない。