K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

もう若くないのだと

昨日のことだが、無理に身体を動かしたら股関節が攣って死ぬかと思った。
十代の頃なら平気だったであろう動きができなくなっていることに、時の移り変わりを自覚する。

 

そもそもなぜそんなことになったかと言うと、家族の影響なのだ。これができるかと、身体の柔らかさをアピールされたら、なんだか悔しくなって挑んでみたくなるもの。
言葉で説明するのが難しいが、脚から腰までにかけて日常ではあり得ないような負荷がかかる動き。準備体操をしていれば結果は変わっただろうか。

もともと運動は得意なほうだった。でも自主的に身体を動かすのは億劫で、走り込みとかトレーニングとか、そういう習慣は昔からない。
高校までは週に三回あった体育の授業のおかげで、かろうじて運動不足を回避できていたのだろう。当時は身体能力に異常を感じることなんて、ほとんどなかった。
しかし卒業以降は運動の機会が激減し、次第に全身の筋力が低下、体重の減少を招き、貧弱な肉体が出来上がった。今では減った分の体重を支えるだけの力すら備わっていない状態で、寝ても座っても腰に負担を感じることが近頃よくある。

さて、しかしそれでも脚は比較的、力があるほうだ。なぜなら普段から歩くのがとても速いから。最近は外出機会が少なくなったため、たまに出歩くと筋肉痛になるけれど、他の部位に比べたら随分と元気なほうだ。
だから脚の筋肉を頼りにする動きは大丈夫だと思った。いや実際、脚には問題がなかった。
問題だったのは、その脚自体を支える付け根……つまり股関節だった。
結局、力の伝達の都合上、どれだけ末端部に筋肉があっても一度は関節部分を経由するわけだから、鍛えるにしても一部に集中するよりは全身の動きを意識したほうが推奨されるというわけだ。私はあまりにもアンバランスだった。

関節の限界を察知した瞬間の、急激に訪れる激痛の感覚。数分は続く血の気が引くような衝撃と、意識が奪われかねない貧血に類似する倒懸。思わず声が漏れる。
思った通り、五分もしないうちに落ち着きを取り戻したものの、患部が受けたダメージが回復したわけではない。しばらく、まともに歩くのもままならない。
今朝、起きたときにはそれほど痛みが残っていないと感じたが、少し捻った体勢になると強い痛みが出る。歩行時にも違和感がある。当分は安静にしておいたほうがよさそうだ。

数年前から、動いただけで身体のどこかが攣るということが、たまにあった。まだギリギリ若いからこそ大事に至らず、ただ痛いだけで済んでいるような気がする。
人間なんて二十歳前後を頂点に、徐々に下降していく人生なのだから、これからは身体に関する感覚を補正していく必要がある。以前と同じ調子でこの先も生きていたら、そのうち事故にでも遭いそうな、嫌な予感がする。