K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

電話とかいう悪習

最近の若者は電話が取れない……なんて声はよく聞くけれど、まぁ半分くらいは否定できないところがある。本当に必要な時しか電話なんて使おうと思わないから、そもそも慣れていない。躊躇する。
昔はどうだったか知らないが、今は電話に代わる情報伝達手段がいくらでもあるのだから、わざわざ電話を使う意味がわからないのだ。

 

電話のメリットと言えば、大した手間をかけずにまとまった内容を伝えることができるという点だと思うけれど、私は疑わしく思っている。
というのも、電話は相手がつかまらなければ始まらないうえに、情報が音声のみだから、文字と違って不明瞭だったり誤解が発生したりするからだ。その点、確実性という意味ならメールのほうがずっと優れている。
顔が見えない会話は言葉のキャッチボールとしての難易度が高く、しばしば相手の言葉を遮ってしまう。言われている内容すべてを一瞬で把握するのも難しく、聞き逃しもあるため、同じ質問を繰り返してしまうかもしれない。知った間柄であればメリットを活かせるとは思うけれど、見ず知らずの他人相手では意図が伝わりづらいのだ。

企業間のやり取りなどで、オペレータが配備されているとか、専門的な知識を持っているというのなら、それほど悪いものではないような気がするけれど、そうではない一般市民としては、電話の有用性は、今やかなり低くなっていると感じる。
にもかかわらず、いまだに問い合わせ窓口が電話しか用意されていなかったり、サービス提供側からの連絡手段が電話のみだったりする状況が珍しくないため、「今どきの若者」としては心底うんざりしてしまう。

 

このところ、生活を一新するにあたって環境を整えるため、諸々の契約を結んでいる最中なのだけれど、どうにもよくわからない電話をかけてくる連中が多くて困っている。
私は、個人の携帯に電話がかかってくることなど年に数回程度のものだったので、基本的に通知はサイレントにしているから気づけないことが多いし、気づいたとしても知らない番号ならまず無視する。後から番号を調べて、怪しい相手でなければ、次にかかってきたときに出てやらないこともない、くらいの認識だ。それほどに、電話に馴染みがない。

いざ電話に出たとしても、わけのわからない情報をまくしたてられて頭に入ってこないことが多いし、意味不明なことを言っておきながら、最後には「よろしいでしょうか」と尋ねてくる。安易に「はい」ではこちらに不利益があるかもしれないと思いつつ、長引かせても面倒なため、適当に相槌を打って終わらせてしまいがちだ。
念のため、あらゆる通話は録音するよう設定してあるけれど、あの手の電話はおそらく形式的なやり取りなのだろうと思う。毎回、パターンが同じだから。こちらに理解させる気などほとんどなく、契約上の決まりだから説明をしているだけで、別にどんな反応を返そうが結果は変わらない。妙に突っかかると逆に不利益を被る可能性すらあるから、素直に従っていたほうがいいのかもしれない。ちなみに、ウォーターサーバーの話はしっかり断ったので、まったく聞いていないわけではない。余計な契約をさせない程度には、ちゃんと頭を働かせている。

そもそも、大事な話ならメールなどの文面で寄越せと思うのだ。あるいは書類を郵送するか。具体的なことが記載してあるWebサイトのURLを連携してくれてもいい。
電話だと情報が曖昧なままで終わってしまうから、こういう場合に唯一の手段として使われるのは本当に嫌いだ。正確さに欠ける。不安になるし、信用しようと思えない。
なぜ確実性や客観性に乏しい手段を使い続けるのか、一生理解できそうにない。