K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

不調に不調を重ねて

もはや自分でも具合が良いのか悪いのか、まったくわからない。
フィクションにありがちな身体の入れ替わりが起こったとしたら、きっと大半の人間は私の肉体に苦痛を覚えるような気がするのだが、まぁあまりにも不健康な生活を続けているせいで主観的には正常と異常の境界が曖昧になっていると言っていいだろう。
よくよく考えてみれば、数年前よりも遥かに体力は落ちていて活動能力が著しく低下している。

 

生活リズムの狂いなんて、業界によっては珍しいものではないだろうし、自律神経が少し乱れたくらいで、ほとんど動けなくなるなんてことは、まずない。
私が抱えている根本的な問題には、食事と消化吸収、もしくは新陳代謝といった要素が考えられる。
端的に言えば、まず一日に摂取する栄養が足りていないこと、そして仮にたくさん食べたとしても十分に己の身体へと変換できず流れてしまうこと、溜め込んだエネルギーをあっという間に消費し尽くしてしまうこと……などなど、健全に生きるには不便な体質だという自覚がある。

食事の回数はほとんど二食に固定されているものの、時間は日によってバラバラだから、切り取るタイミング次第では一日三食にも一食にもなる可能性がある。
一食あたりの摂取エネルギーは平均すると、およそ600kcal程度なので、一日二食で計算すると基礎代謝分に届くか届かないか微妙なところだ。疲れて半日くらい眠っている日ならトントンかもしれないが、起きている時間が長い日はエネルギー収支がマイナスにならざるを得ないため、普通にしていたら体重が減少していくのは無理もない話ということになる。
別に痩せようとしてダイエットしているわけではなく、できれば増やしたいくらいなのに、食事への関心がなさすぎるがゆえに、気づいた時には身体が軽くなっている。普通に食べて普通に生きるというのは、なかなかに難儀なものだ。

消化吸収能力が低いのは幼い頃からずっと変わらない生まれつきの特性だから、今になってどうにか改善できるとも思っていないのだけれど、とにかく食べた物を自分の肉にするのが下手くそなのだ。
栄養不足だからと頑張って食べても、吸収できる量は非常に限られていて、そのほとんどは出ていってしまう。特に油分が多すぎると胃もたれや下痢を簡単に引き起こしてしまうため、食べすぎた分だけ太っていく、といった比較的一般的な考え方は、私には当てはまらない。

また、継続的に多めの食事と運動を繰り返して少しずつ体重を増やすことに成功した場合でも、油断していると数日で元通りになってしまう。
身体に取り入れた物は筋肉や脂肪に変換して溜め込んでいくわけだけれど、私はそうした蓄えを一瞬で使い果たしてしまいがちなのだ。
髪が伸びるのが驚くほど速いということを、よく美容師に言われる。その他、諸々の毛の生え替わりとか、皮膚の循環速度とか、口内炎が治るまでの日数など、明らかに世の中の平均的なペースを上回っているという感覚がある。
要するに代謝能力は高いのだ。だから、より太れない。
食べても食べても上手く吸収できないにもかかわらず、せっかく時間と労力を割いて溜め込んだエネルギーもすぐに消費してしまう。なんとコスパの悪い身体だろう。

自動的に栄養満点の食事が出てくる実家暮らしの時分には惰性で体重を維持できていたのだけれど、それだけの食事を用意して食べる過程を思うと億劫な気分にしかならない今、ずるずると肉体が剥がれ落ちていくのは自然な流れだった。
もはや極限まで無駄を削ぎ落とした私の身体は、すっかり骨と皮と最低限の筋肉しか残っていない。それでも、風邪を引くことは滅多にないし、多少の反動はあったものの動こうと思えば先日のライブ参加のように活動的にもなれるため、まだ辛うじて健常な生命体であるという考えでいたいところだ。

疲れやすい。いくら寝ても、なかなか疲れが取れない。目覚めてから起き上がるまでに時間を要する。すぐに腹を壊すし、筋力がないから同じ姿勢を保っているのが大変……とまぁ見方によっては既に健康体ではないのだけれど、程度の差はあれ、どれも物心がついた頃からの慣れっこではあるから、あまり気にしていないのだ。
そうそう、先ほど体重を測ったら、とうとうBMIが15を割って14.7まで落っこちていた。その後、食事を摂ったことで15以上には戻ったけれど、これが一時的な減少で済むのか、続落するのかは注視していきたい。