K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

相場

日常的にチャートを眺めるようになってからニ年以上になるけれど、始めた頃と比べたら随分と図太くなったような気がする。
多少の高騰や暴落では大して心が動かなくなったし、もし買っていたとして、それが含み益であっても含み損であっても、あまり気にせず生活できるようになった。

 

短期で売買して大きな利益を作ることを日常の一部にしている人は、その限りでないだろう。
しかし、私は基本的に長期目線の現物しかやらない。狙うのは週足か月足を使った大きなリターンであり、時間足レベルの値動きには、いちいち反応しない。
理由はいくつかあるが、主に二つ……リスクが低いことと、大して疲れないことにある。
このままでは日本に未来はないけれど、世界的には経済が成長していく一方なので、長い目で見るなら今が高値圏だったとしても、買って放置しておけば最終的には利益が出ると考えられている。
もちろん、価格の細かい上下を上手に乗りこなせるなら、短期間で莫大な利益を出すことは可能だろう。しかし、それには運と確かな技術が必要であり、どちらも揃えるには相当な時間と経験が要求される。
まぁ本気で取り組めば、もう少し効率的なやり方はあるのだろうが、そこにエネルギーを割けるほど私は勤勉ではないため、最も手軽な手法を採用することにしているのだ。

二年前、投資に興味を持った直後にコロナショックという歴史的出来事を経験できたのは、ある意味で人生の財産かもしれない。
あの急落に次ぐ急落を知っているからこそ、精神が鍛えられた。その後に到来したバブルは、また違った意味で勉強になったと思う。

さて、そんな世界の相場は、この度とても不穏な雰囲気に包まれている。バブルで上げた分、絞られるような感じで、強く反発するイメージが持てないまま連日ずるずると下がり続けているのだ。
いくつかの指標においては、既にコロナショックを下回るほどの下げ具合らしいのだが、全体の空気感はどうだろうか。ニュース番組などを見ないから、いまいち掴みづらいのだけれど、Twitterなどを見ていると人それぞれだ。
絶望している人もいれば、潤沢な資金を抱えて虎視眈々と落ちてくるのを待っている人もいる。
つまり、まだ総悲観とは言えない。
流石に、底が遠いということはないと思うけれど、もう少し下げる余地は残っているのではないかというのが、相場歴ニ年と少しの私が抱く直感的な感想だ。
もちろん、このあたりを底として、徐々に再び上昇へ転じる流れになってくれても構わない。
ただ、テクニカル的な観点で言えば、たとえ暴落の流れが終わったとしても、即座に目覚ましい反発が起こるとは思えない。というのも、あまりに下げすぎていて形が悪すぎるからだ。
おおよその予測として、大きく下げる前の地点に戻るまでには数か月から半年、再度バブルに突入するまでは少なくとも一年ほど必要になるだろう。
持っている現物を、大きな利益を出しながら売れるタイミングは、来年の後半以降になるのではないかと予想せざるを得ない。

 

諸々の負の要素が絡み合った結果の現状なので、確率は著しく低いとは思うが、もしミラクルが発生して今月のうちに凄まじい上昇を見せることがあれば、バブル復活ということにもなる。
週足以上のトレンドを無理やり捻じ曲げる動きなんて、まぁ現実的ではない。けれど、時価総額の低い領域であれば……なんて期待してしまう。

一応、余剰資金でやっているとはいえ、ここまで下がるのであれば、さらに買い増せるだけの余剰資金を残しておけばよかったと、少し悔いている。
どういう状況になっても結局は結果論だから、最適なタイミングで上手く取れないのは、もうどうしようもなく仕方ないことだが。