K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

速度の限界

先週、およそ一週間ぶりに帰宅してから本日までの間に、例のファストウォーキングを二度、いつものように深夜に実施したのだが、この程度のブランクなら歩くのに必要な体力や筋力が著しく落ちることはないようで、回を追うごとに順調にペースが上がってきている。
流石に八月といったところで、夜間帯とはいえ少し歩いただけで汗ばむ蒸し暑さを味わうことになるから、これが涼しい春や秋の気候であれば、もっと調子が出るかもしれない。

 

信号という無視できない存在が散歩ルート上に数多く設置されている関係で、途中で立ち止まりたくない私は赤信号に引っかかりそうになると、予定していた進路を変更する。
仕方ないことだけれど、そのせいで同じ距離というわけにはいかず、タイムを厳密に比較するのが難しくなってしまった。
とはいえ、おおよその距離は調べることができるから、実際のタイムを使って速度を計算することは可能だ。
以下、前回のウォーキング日記にも書いたけれど、その後も含めた散歩のペースを日付とともに記録しておきたい。

07/25 43分・7.4km/h
07/30 40分・7.5km/h
08/11 41分・7.7km/h
08/16 41分・7.8km/h

昨年の散歩は4kmに満たないルートを歩いていたから30分台前半が目安だったのだけれど、気分転換をしたいとか虫との遭遇を避けたいとか、諸々の理由を付けて大きくルートを変えることにした都合で、今年は5km以上かつ40分以上という運動量が当たり前となった。
久しぶりに運動を再開した一か月ほど前の初回は、半分ほど歩いたところで心臓が苦しくなりバテてしまうというアクシデントが発生したものの、二度目からは心肺が適応して問題なくペースを落とさずに歩けるようになっている。
昨年、今よりも短い距離でどれくらいのペースが基本だったのか具体的な数字は覚えていないのだけれど、体感の話で言えば変わらないか、むしろ距離が伸びたにもかかわらず速度は上がっているような気さえする。

私は、昔から運動神経は悪くなかった。ただ、現時点の身体能力が他の人間と比べて特別に優れているとは思わないし、明らかに痩せすぎな肉体に加えて引きこもりがちな生活を続けているから、もし体力を数値化できるとしたら小学生レベルという判定を受けても驚かない。
それでも、私が実施しているウォーキングを普通の人が真似できるかというと、なかなか難しいのではないかと思う。

こういうのは、きっと慣れの部分が大きいのだ。
どれだけ体力が低下していたとしても、速く歩くことに身体が適合している私は、少し動いただけで感覚を取り戻すことができる。
しかも、これは一朝一夕で身につくようなものではなく、長い期間をかけて磨き上げていく能力なのではないだろうか。
ふと、数年前までのことを思い出してみる。まだ実家にいた頃、十年以上前からずっと、私が運動不足を解消する手段は散歩だった。
当時のルートは実家の周辺を回ってくるものだったが、距離は似たようなもので散歩の時間は30分台だった気がする。
不思議と数字だけは記憶に残っているのだが、1分あたり120mというペースを下回らないように、という意識があった。時速に直すと7.2km/hだ。
今では1分130mに届きそうなくらいなのだから、スタミナ面における成長が垣間見える。

ちなみに、上に書いたようにアプリの計測では本日のペースが7.8km/hになっているけれど、おそらく四捨五入されているから実質的には7.75km/hに限りなく近い値なのだろう。
歩いたルートの距離を確認して、時計からペース割り出すと、どう考えても130m/mには及ばなかった。

 

さて、ここまで順調に歩くペースを上げてきた私だが、このあたりで限界を感じている。
というのも、本日のウォーキングは序盤からかなり頑張ったのだ。いつバテてもおかしくない、心肺機能が崩壊しないギリギリのラインを探るような速度を狙った。
気温と湿度が前回よりも高く、呼吸が苦しくなるシーンが何度もあったけれど、多少の無理はアドレナリンでどうにかなった。
これ以上は無理だ。出せる力は出しきった。そう思えるくらいには、限界に近いウォーキングだったと思う。

気候も身体のコンディションも日によって違うから、両者が完璧な状態で噛み合えば、今回の記録を超えるハイペースを実現可能かもしれない。
ただ、これまでの散歩にはまだ上を狙えるという伸び代を感じていたのに、今回は感じなかった。要するに、これが現状の精一杯であり、調子に関係なくもうタイムは向上しないのではないか……そんな気がするのだ。
まぁ私はアスリートではないし、散歩の目的は運動不足解消であり、筋力の増量による体重の増加であるから、別に時計なんてどうでもいいのだけれど。

余談だけれど、一か月前には下半身の筋肉痛に死ぬほど苦しめられたというのに、最近は大して痛みが残らなくなった。
散歩から帰ってきて、一度目の寝起きには若干の疲労感を覚えるけれど、次の日にはすっかり動けるようになっているレベルだ。
スタミナと同様に、しっかり下半身の筋肉も取り戻しつつあるようで、何よりではある。