K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

運動の記録

体格や体重、体力に似合わず私の散歩は非常に激しい運動となっているため、そこそこ反動が大きいのかもしれないと思い始めた。
というのも、散歩を実施した後の睡眠がとても長くなってしまうのだ。起きようと予定していた時刻を超えても、睡眠欲が満たされない。身体が休息を欲している。
消耗からの回復という意味では欲に従ったほうがいいのだろうが、必ずしもずっと寝ていて問題のない日ばかりではないから、これからは運動を実施する日も気まぐれだけで決めるわけにはいかないだろう。

 

ウォーキング時のスタイルは、上は半袖のTシャツに下はスポーツ用のジャージで、楽に身体が動かせる軽装となっている。
学生時代の体育の授業を思い出すように、着替えると運動に向けて気が引き締まるような気がする。当時と比べたら体力は落ちているにもかかわらず、縦横無尽に動き回れそうな気分になるから装いの効果というのは不思議なものだ。

片手にはスマートフォンを持ち、ウォーキングの状態を記録するアプリケーションを起動しておく。
また、バッググラウンドでは音楽を再生して、耳に嵌めたワイヤレスイヤホンで聴きながら歩く形だ。
何度か同じコースで散歩を続けていると、この曲が流れている時にはこの場所、この位置を通過するタイミングであの曲なら速いとか遅いとか、なんとなく判断できるようになるから、音楽には単なる気分転換以外の働きがあるように思う。
まぁ同じコースとは言っても、途中で止まりたくはないため、信号を回避するために迂回することが珍しくない。最短ルートを通れる可能性は半分もないくらいで、毎度微妙に距離が異なる。
もっとも、深夜3時台の実施が多いため、自動車の通行料が少なく信号無視が咎められないパターンもわりと多いわけだが。
ちなみに夜間の理由は、私が太陽光に弱くて日中だとすぐに疲れてしまう点と、特に夏場は気温が高くて熱中症になりかねないという点、運動の激しさから髪や表情が崩れてしまい他者に目撃されることに若干の抵抗感がある点などが挙げられる。

このような、運動不足解消を目的とした散歩は昨年にも実施していたのだが、秋頃のワクチン接種時に激しい運動による副反応のリスクを考慮して、しばらく控えることとなった。
ただ、こういうのは一度でも習慣から外れると、再開するためには重い腰を上げなければならない。季節は冬になり、己の活動力低下とともにモチベーションは地に落ち、再び歩くことに前向きになれたのは二か月ほど前のことだった。

再開直後は体力と筋力の低下が祟って、従来の感覚で歩いていると著しく疲労したものだったけれど、日記にも書いたように急激な運動を身体に経験させることで、肺活量が驚くべき勢いで復活した。
以下の表は、再開後三度目からの記録になるけれど、徐々にペースが伸びているのがわかる。

散歩記録

距離や歩数はアプリによる判断なので、厳密に合っているのか定かではない。時間も分単位でしか記録できていないから、細かい秒数で誤差が生じてしまっているだろう。
それでも、大まかな散歩のパフォーマンスを比較するには十分な情報だ。
記録された数字を見て、歩いている感覚と照らし合わせて気づくのは、歩幅が大きいと疲れやすく、歩幅が小さいと疲れにくいということだった。
八月半ば以降は、その日に出せる全力に近い歩きを常に心がけているのだけれど、歩幅が1.3mを超えている日は時速8km/hが限界となっている。
一方で、ピッチ歩法を意識した前回や今回は明らかにペースが上がっていて、同じくらいの歩幅でノロノロ歩いていた七月と比べると、純粋に体力が付いてきた実感を得ることができる。
おそらく、そろそろ肉体的にも物理的にも限界に近いところまで来ているように思うが、これだけ飛ばしているにもかかわらず終わった後の疲労感や倦怠感が以前と大差ないのは面白いところだ。
こう書いてしまうと冒頭の話と矛盾するようではあるけれど、七月なんて筋肉痛でほとんど動けないくらいにダメージを受けていたのだから、身体が仕上がってきたのは確かな事実とも言える。
それでも、いくら鍛えたところで激しいウォーキングが莫大な体力を奪うという側面は変わらないということだろう。

 

深夜の気温が、少しずつ下がってきた。
八月は20℃台の後半であることが珍しくなかったが、最近は前半が多くなり、運動中の息苦しさが軽減されてきた感がある。パフォーマンスが上がってきたのは、体力だけでなく気温も大いに影響しているのだろう。
しかし、秋から冬にかけては一気に夜間の気温、そして湿度が下がっていくはずだ。もちろん、涼しいほうが歩きやすいのだけれど、寒くなり乾燥してくると、今度は肺へのダメージが大きくなる。息は上がりづらくなるものの、激しい運動を続けていると肺の中で出血が起こるのか知らないが、口の中に血の滲んだような鉄っぽい味がするようになるのだ。
夏から秋にかけて、つまり今こそが最も身体に負担のかかりにくい運動シーズンなのかもしれない。