K's Graffiti

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栄養が足りていない

そんな気がする。ふと、気づいたのだ。
ちゃんと食べているようであって、実のところ食べたつもりになっているだけ。一般的な成人の肉体が必要とする水準に届いている日は、いったい一年のうち何日あるのだろう。一か月分にも満たないかもしれない。
まだ冬を抜けきらない気候の中、冷えた室内で身体を震わせながら、エネルギーが不足しているのを実感した。

 

熱量が足りていないのは、食後に寒さへの耐性が上がることから明らかなのだが、寝起きはともかく二食目に関してはタイミングの難しさを感じている。
長年の少食習慣ゆえ、胃の中が空になっても大して空腹感を覚えないだけでなく、空腹感そのものが食欲に結びつかないという生命体としてバグった肉体を手に入れてしまった私は、意識的に動かなければ食事を摂ることができない。
夏なら水分補給さえ怠らなければ問題になることが少ない「食事離れ」も、冬においては致命的になりかねない。
昨年や一昨年は極端な電気代節約意識というものはなく、寒さを感じたら平然とエアコンを動かしていたから大丈夫だったけれど、流石に昨今の情勢から使用を控えなければならない……というよりは倹約家精神が耐えられないため、どうしても限界近くまでは寒さを我慢するという形になってしまう。
結果として、食事が十分でない分だけ不当に身体を冷やし、体調を崩すことになるのだ。

エネルギーが十分でないと、人体はどうなるのか。
単純に言えば、動けなくなる。
起き上がるのがしんどいし、あらゆる行動へのモチベーションが低下する。食料が減ってきて買い出しに行かなければならないと思っていたのに、気が向かずキャンセルする羽目になったし、本来は消化しなければならない作業を後回しにして、布団の中で無為に時間を潰す一方だ。
気力が湧かず、食事を用意をすることも億劫になり、無意識のうちに少しずつ食事の回数は減っていく。一日二食で生きていると思っていたが、振り返ってよく考えてみると、平均値は二食を下回っている。
二食ですら摂取カロリーがギリギリ足りているか足りていないかというラインだったのに、それに満たないとなれば徐々に肉体維持はできなくなっていくだろう。
もともと痩せていて体重が軽いので、昔から必要量は一般的な平均値よりも遥かに下回るためノルマは少ない……とはいえ、現状それすら怪しい状況だ。

むしろ、これで病気にならず、倒れることもなく、ただ元気が出にくく疲れやすいという以外に不都合がないことを思えば、本質的には強い生命力を備えている可能性もありそうではある。
たくさん食べても多くは消化不良で出ていくし、多少の運動や筋トレでは雀の涙しか増量できず、幼少期から細身だった私にとっては、もはや頑張って食べることに意義を見出すのは非常に困難だ。
逆に言えば、食に惑わされることがないという利点は、栄養失調にさえならなければ他の病気を引き起こすリスクから解放されていると考えることもできるし、個人的には悪だと感じていない。
なお、今冬に関しては肉体の許容量を超えた冷気に負けがちであるがゆえに、過去にない悩みが生じているという話になる。

 

結局、何が言いたいのかわからなくなってしまったが、要するに春の到来を待ちわびているという結論になりそうだ。
エアコンの使用頻度を上げるか、多少の無理をしてでも食事回数を増やすことで、一時的に状態は楽になると予測できる。しかし、その場しのぎに過ぎない。
今は大人しく冬眠しておくのが、最も私の身体に適した生活習慣になりそうなのだ。眠り続けることはできないため、仕方なく起きている時間帯は生じるけれど、基本的には外気温の上昇を待つスタイルに変わりはなく、寒いうちは己のあらゆる成果に期待などできない。

三月になればカレンダー的には春と捉えてもいいだろうし、あと一週間の辛抱だ。
毎年、冬は苦手だと思っていたけれど、今回の冬は本当に駄目だった。ここまで寒さに弱いということを知ることができた経験は、来年以降の対策に活かしたい。