実際には寝違えたのかどうか確信はないのだが、どうにも首が痛い。
起きた直後は、特に強い痛みを感じてはいなかったようにも思う。ただ、日中に何が変な動きをした覚えはないし、他に原因が思い当たらない。
首周りの痛みは頭に直接的な影響を及ぼしているように感じられるため、端的に言うと、風邪を引いたときのような具合悪さがある。
ような、ではなく本当に風邪を引いている可能性も、実のところ捨てきれない。
あまり外に出ず、他者と関わりを持たない私が何かしらのウイルスに感染する確率なんて限りなくゼロに近いはずだけれど、不摂生が続けば免疫力は下がるし、慣れた環境に漂う常在菌のような存在に急襲されたとしても不思議ではないだろう。
まぁ風邪の典型的な症状である鼻水や咳、あるいは発熱といった類いの兆候は見られないため、今は他の原因を探したほうがよさそうではある。
厳密には首ではなく、頭痛の延長線という説もある。ストレスを感じている箇所は確かに首だと思うのだが、後頭部の頭痛との区別はできない。
仮に頭痛だとしたら、気圧によるものか、睡眠不足か、単なるストレスか……無数に候補が浮かぶので特定は難しい。
あまり飲み物を積極的に摂取しない性格なので、たまに脱水症状になりかけの状態を引き起こして頭痛を感じることもあるのだけれど、今回の頭痛は水分摂取による緩和が認められないため、そうではないようだ。
もしかしたら、冷えた部屋に居続けているせいで身体が危機を訴えているのだろうか。今さらの話になるが、ほとんど暖房を使用しない生活は当然のことながら健康面には悪影響だ。
先月、今月と耐え忍んできたものの、とうとう我慢できなくなってきたのかもしれない。それが痛みというわかりやすい形で表れたと考えれば、納得できないこともない。
などと、ごちゃごちゃ不毛な思考を働かせてみるものの、現実には何も意味なんてない。
考えたところで痛みが解消されるわけではないし、この手の痛みに効く薬を常備してもいないから、基本的には気にならなくなるまで耐えるか、眠ることで回復を期待するしかないのだ。
そもそも、睡眠不足が原因の可能性だってある。眠れていないのは自分のせいというよりは、大部分が隣人の影響なのだけれど、それはさておき本来の睡眠が果たすべき役割が十分に発揮されていないのは事実としてある。
眠る際も、起きる際も、自らの思い通りに気持ちよく……そんな日は、直近の数週間でほとんど経験できていないのだから。
蓄積してきた疲労とストレスに、いよいよ体調の維持ラインが崩壊したといったところだろうか。
いずれにせよ、半日ほどぐっすりと熟睡しなければ、この問題は解決しないような気がする。
一度に回復できたら理想的だけれど、常に隣人の行動に左右されるため期待はできない。睡眠のタイミングを試行錯誤しつつ、できれば数日以内には元気を取り戻したいところだが、さてどうなるか。
