K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

マインスイーパー

本当に書くことが思いつかなかったので、暇潰しがてらネタ作りのために、昔から一度はクリアしておきたいと思っていたゲームに挑んだ。マインスイーパーだ。
幼い頃、親のPCを触らせてもらった際に、しばしばプリインストールされていたマインスイーパーを遊んだ記憶があるのだけれど、ちゃんと最後までクリアしたことがなかったので、やや心残りだった。
単純ではあるけれど簡単ではないため、プレイしたことはあるものの未クリアという人間が少なくないのではないだろうか。

 

そもそも、このゲームには必勝法がない。極端な話、初手で運が悪ければゲームオーバーになってしまう。
また、最初にいくつか空けていって、そこそこ安全領域が広がらなければ、クリアまでの道筋を立てることすらできずに行き詰まるゲーム性だ。
それに加えて、機械的な判断で旗を立てられる数には限りがあるため、どこかで1/2や2/3にを引く運ゲーを行わなければならない。
要するに、これをクリアできる人間は運が良いだけであって、あまり実力なんて関係ない……と以前の私は考えていた。

実際、運要素は強めだから、最後まで行けそうなパターンを引けるまで何度もやり直す必要があるのは事実だろう。
どこをどう考えても地雷の有無を判断不能な難しい局面に、運が悪いと出会ってしまう。
ただし、まったく攻略法がないわけではない。一見すると正誤不明ではあるが、仮に地雷だったと想定して、不確定ながらも範囲を拡大していけば、答えに辿り着くことができる場合もある。
仮定が正解だった場合は面倒だけれど、絶対に起こり得ない矛盾に突き当たることで、その逆が正解であるという風に地道ながらも埋めていくことが可能なのだ。
幼い私は、そこまで思考を巡らせることができなかった。けれど、しっかり考える頭脳が備わっている今ならば、どうにか壁を突破することができるのではないかと思ったのだ。

簡単なステージでは、あまりチャレンジする意味を感じない。どうせなら、最も広い地雷原を踏破してみせよう。
何気なくスタートした久々の挑戦だったわけだけれど、結果から言えばクリアすることができた。
しかしながら、予想していたよりも苦戦して……計測していたわけではないから厳密には把握していないが、合計プレイ時間は実に2時間弱程度には及んでいたことだろう。

Minesweeper_Expert

ラストトライで30分を超えたわけだが、惜しいところまでいってダメになったチャレンジが何度かあった。
最後のほうは集中力が切れていたし、うっかりクリックミスしてしまう可能性もあったから、無事に達成できて安堵している。

クリア演出はあっさりしていたし、クリア時の感想は「嬉しい」というよりは「当たり前だろう」という感じに近かったから、いったいなんのために時間と労力を注いでいたのか、わからなくなってしまった。
まあ自分の中でクリア実績を作ることができたので、今後は一生マインスイーパーというゲームに対して苦手意識を感じることはないはずだ。
もう遊ぶこともないかもしれないが。

 

振り返ってみると、確かに道中は運試しをしたくなるシーンが多かったけれど、半分を過ぎたあたりからは、いくつかのパターンを想定して、ありえない可能性を排除していくことで選択肢を絞っていくことができた。
運要素はある。しかし、決して運だけのゲームではないということが自ら実証できたような気がする。

この手の、自分が未熟だったがゆえに諦めてプレイを放棄してしまったゲームというのは、覚えていないだけで他にも複数存在しているような感覚がある。
クリアしたところで、後に残るのは自身の成長を実感という微妙な経験だけなので、わざわざ挑む必要などないわけだけれど、子供の頃の私が手も足も出なかった難しい課題が、今の私なら少ない試行回数で達成できてしまうという事実には、ささやかな希望と自信を貰える。
別の方向性で考えていけば、ひょっとしたら自分が考えている以上に頑張れる分野は幅広いのかもしれない。
思い込みによる自身の過小評価には注意していきたい。もちろん、過剰評価にも注意を払うべきではあるが。