一般的に昼寝と言えば、昼食後の眠気に誘われて少しだけ……と横になるアレだと思うのだが、今回は普通の就寝を昼に行うことをテーマにしたい。
そもそも普通の人間は夜に寝て、日中に活動するだろうから、真っ当に生きていたら存在しないはずの生活ではあるけれど、特殊な業界の人間やレールから外れた人間にとっては珍しい現象でもないかもしれない。
毎日、決まった時間に何かをするという規則に縛られていないせいで、寝る時間も起きる時間もランダムと言っていいのだが、時間について最も大きな影響力を持つのは睡眠だ。
活動が途切れるのは眠くなるからで、活動時間が削られるのは起きられないから。外部に用事がない場合は目覚ましのアラームは役割を果たせず、起床のトリガーとなるのは基本的に、睡眠が満たされたと脳が認識した場合のみ。
生活リズムは常にズレ続けているから、いまさらの話ではあるのだが、数日前から寝始める時間帯が深夜から朝方へと切り替わっていた。
それが、昨日……というか今日、とうとう昼になってしまったのだ。
私は寝付きが悪いため、夜に布団に入ると平気で30分くらいは眠れずにいる。本当に眠い時は数分の場合もあるけれど、それよりは数時間起きたまま眠れないことに苦しんでいるパターンのほうが多い。
そして朝は、まず二度寝との戦いが始まる上に、運良く目覚めることに成功したとしても頭が完全に覚醒状態に至るのは半々といったところで、失敗すると気怠さを発症し具合が悪いまま一日を過ごすことになる。
生命体としてどこか重要なパーツが欠損しているかのような、困った身体だ。
昼に寝たら、どうなったか。
端的に言えば、上に書いた不都合がほとんど解消されたようなものだった。
体感ではベッドに横たわった瞬間から眠りに堕ち、目が覚めたら短時間で脳が活発に動き出す。不当に身体が怠いということもなく、今のところ元気そのものだ。
昼まで起きている時点で相当に眠気が蓄積しているという可能性は高いから、スムーズな就寝という点については特別視する必要はないかもしれないけれど、寝起きの良さに関しては朝とは比較にならないほど快適だった。
まだサンプルが少ないから、もちろんコンディション次第では規則正しい生活でも上手くいくことはあるとは思うけれど、生活リズムが崩壊したわりに身体が不調を起こしていないから、これはひょっとして……と思ったわけだ。
朝型と夜型は遺伝子に刻まれている説を最近どこかで目にしたけれど、それが正しいなら私は確実に夜型だろう。
昔から、夜のほうが活動的だった。太陽が沈んでからのほうが目が冴えるし、集中力も増す。太陽光を浴びると、途端に眠くなって仕方ない。
生まれつき、社会に適合できない肉体なのかもしれない。
ところで、数日後には日中のイベントがいくつか予定されているため、残り時間が少ないというのに、完全に逆転した生活をどうにか矯正しなければならない。
こういうのは自然に狂ってしまうものなので、直す場合も自然に戻ることを期待するしかないというか、特にコツというのはないと思っている。
せいぜい、軽く徹夜をするくらいの気分で半日ほど眠気を我慢するくらいだろうか。
ちなみに食事はすっかり一日二食に戻ってしまい、体重が増える気配はない。
