K's Graffiti

文章を書いたり絵を描いたりします。

バッドコンディション

寒い寒い。雨の影響か、今日は寝起きから現在までずっと頭が重い感じがしているし、隣人の立てる些細な音さえなければ、今にも眠りに入れそうな気配がある。
夜中から明け方にかけて大雪になるかもしれないという予報も出ていて、おそらく明日は用がなければ在宅を貫いたほうがいいのだろう。残念ながら運の悪い私は、こういう日に限って数少ない外出の予定があるのだが。

 

生活習慣上の細かい不具合から解放されず、どうやら今月はずっと調子が上向かないようだ。
神経が過敏になっている。以前なら大して気になることはなかったであろう周囲の生活音が、非常に厄介な存在として心の安寧を妨げてくる。
おかげで、夜は両隣が静かになるまで眠れないことが多いし、起床時刻はどちらかの目覚ましアラームが鳴った瞬間と決まっていて、自らの生理的欲求に任せた寝起きというのが上手くできない日々が続いている。
上旬には一時的に実家へ帰省していたけれど、普段は一人きりで会話のない毎日を送っているせいか、なんだかんだ親と話すのが楽しくて夜ふかしをしまった。
そういうわけで、このところは身体に無理をさせた徹夜明けの睡眠くらいしか深い眠りを経験できていない。好きな時間に眠り放題なはずなのに、半ば慢性的な睡眠不足に陥っているのは妙な話だ。

 

睡眠が不足していない状態というのは、つまり体力や精神力が十分に回復しているということだ。便宜的に前者をHP、後者をMPと表現するが、睡眠不足で問題となるのはMPの欠乏であることが多い。
個人差はあるかもしれない。私の場合は、浅い眠りでも深い眠りでも、HPの回復量に大きな違いが出ることはない。激しい運動など肉体を酷使することが滅多にないから、そもそも消耗していない説もあるけれど、とにかく身体自体は大丈夫だと感じることが多いのだ。
一方で、MPは頻繁に不足する。物事に取り組むためのモチベーションや、特定の出来事に対するリアクションなど、前向きに生きるためには欠かせない要素なのだが、その分だけ減りも大きい。
MPはあるがHPが足りていないという状態だと、動き出すことはできるものの長続きしないパターンになる。途中で強烈な眠気を覚えたり、脳の回転が悪く動作が鈍くなったり、パフォーマンスの低下が顕著に表れる。
HPはあるがMPが足りていないという状態だと、目は覚めているのに何も活動を始められず、抜け殻のように時間を浪費する。やりたいことが頭の中を巡っていき、消えていく。身体に漲るエネルギーを持て余す。

寝ていたらHPは勝手に回復するから、あまり意識することはない。しかしMPの回復量は睡眠の状態に大部分を依存する。
睡眠によってMPがどれだけ元通りになるか、ざっくりと言うならば、それは睡眠の質と睡眠時間の掛け算で決定される。
質というのは判定が難しいものだけれど、個人的な感覚で言えば熟睡とほとんど等しい。ちょっとやそっとの物音では目が覚めないような、深い深い眠りだ。今の私にとっては、なかなか実現しない睡眠状態ということになる。

何時間かの睡眠を経て、意識が起き上がる。
ああ、また深く眠れなかった。わかるのだ。MPが回復していないことに。今日もダメそうだということに。
どうにか生命維持のための食事と、その他の頭を使わないルーティーンをこなすのに精一杯で、随分と前から考えている新しい取り組みに気分よく着手できない日々は、結構しんどいものだ。

つくづく、人間としての適性が低いと思う。
はたしてこれは、数々の選択の結果なのか、生まれつきなのか。
どちらでもいい。春よ、早く来てくれ。