K's Graffiti

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モチベーション転換

文脈によって微妙にニュアンスが変わってくるから一概に言えないところはあるけれど、概ね「元気」「活力」「エネルギー」といった意味合いでモチベーションというものについて考えていく。
一般的な成人よりも、おそらく圧倒的に体力が少ない私にとっては、物事に取り組むにあたってモチベーションの管理こそが最も重要なファクターのひとつと言っていい。
やりたいことが上手くできない……それはすべて、モチベーションのコントロールに失敗していたからだった。

 

当然ながら、時間は有限だ。
会社で嫌な仕事をする時間は長く感じられるけれど、そういう例外を除けば、一日や一週間、あるいは一か月や一年ですら、あっという間に過ぎていく。
しかもこれは、全人類に共通の固定リソースであるから、長い目で見ない限り普通にしていたら大きな差がつきにくい。
したがって、短期間の成果に大きな影響を及ぼしやすいのは、決まった時間に対して割ける体力と、原動力に等しいモチベーションを、どれだけ自らの内部で最適化できるかというところになる。
これは、学生時代の画一的な勉学から社会人のあらゆる作業工程に至るまで当てはまる、完全に個人差の勝負だ。
今の私は、体力面において以前よりも相対的に厳しい状況に置かれているため、モチベーションの調整に苦労している。
思うように物事を進められない……昨年から続くこの悩みを、どうしたら解消できるのかというのが当面の課題となっている。

体力とモチベーションも、時間と同様に有限だ。自分のコンディションによって総量が大きく変動するという点では性質が異なるけれど、基本的な扱い方に違いはない。
効率的に時間を使うとの同じようにして、その日に使える体内リソースを器用に分割し、各作業に適切に割り当てることができるなら、上に挙げた悩みはほとんど解決することだろう。
実際には、時間のように客観的な判断ができない上に、そもそも時間すら無駄に浪費しがちなわけだから、いつも最適な形で導いてやることなんて不可能に近いのだが。

まぁともかく、たまにある寝起きから絶不調という日は最初から諦めるしかないけれど、大半の起床直後にはそれなりの活動を実現できるだけの一定のエネルギー源を体内に有しているのだから、これを無為に消費せず適切に活用する方法を探るのが、最も成功に近づく近道なのは間違いない。
起きてから次に布団に入るまで……一日のおおよその流れを頭に思い浮かべて、消費の激しい行為を抽出していく。
全部が無駄とは言わないし、中には必要なものもある。ただ、人の日常なんて「なんとなく」の気持ちで行動を選択することも多いから、決して効率化できているとも思わない。
改善する余地は、かなり残されていることに気づく。

たとえば、夜型の生活を急に朝型へと変えようとすると、無理が生じる。
睡眠不足になったり、まだ頑張らなければならない時間に眠気に襲われたり、前日までの生活リズムでは起こらなかった不具合に直面することが珍しくないのだ。
私は海外経験に乏しいので実際のところは知らないのだけれど、時差ボケのようなものだろう。
きっと、モチベーションに関しても同じことなのだ。「なんとなく」でも毎日のようにエネルギーを費やしていた行動を急に止めて、まったく新しいことに全力を注ぐ……可能であれば最効率で理想的だが、そう上手くはいかないのが現実だ。
平易に言い換えると、シンプルに慣れということなのだろうが、とにかく人の身体は……少なくとも私の肉体は、エネルギーの出力先を急激に変えていってパフォーマンスを継続できるほど、器用には出来ていないらしい。
当日限りなら動けたとしても、それは無理をしているということになる。次の日、また次の日……と考えると、最終的に軌道に乗って成功するかどうかは運任せになってしまう。
これまでも、ほとんど体力的な問題が原因となって、習慣化するところまで行かない失敗を幾度も積み重ねてきた。

 

言葉で表現するのは非常に難しいのだけれど、私の物事に対するモチベーションというやつは、かなり尖っているようだ。
いわゆる「熱しやすく冷めやすい」とは微妙に異なっていて、その逆というわけでもない。やや飽きやすい側面はあるものの、ちょっとした刺激の変化が期待できる場合には長続きする。
まぁ対象によって振れ幅が大きいこともあり、明確に特徴を言い表すことはできないのかもしれないけれど。
一度でも火がついたら、異常なほど長く熱が続く。ただ一方で、なんらかの理由で冷めてしまった時には、再点火まで長期的な冬眠モードに入ることが多い。
これは気持ちの問題でしかないのだが、己の意思とは関係なく、身体が「それ」に向き合うことを拒絶してしまうイメージだ。

長続きしない原因を追求していくと、どうやら悪循環の構図はこういうことらしい。
モチベーションを向ける対象の急な変化に身体が追いつかず、超短期間で中断を余儀なくされる。一度は熱の入る感覚を覚えた身体だが、中途半端に対象を手放してしまうことで、一気に熱が冷める。すると、体力が回復した数日後にあらためて取り組もうとしても、数日前ほどの勢いが戻らず、結果的に失敗という判断をせざるを得なくなるわけだ。

ここから導き出される結論は……ある程度の時間をかけて徐々にモチベーションの対象を変えていき、一定期間後に慣れを確認したところで、本来の理想的な割合を目指して効率化していく方法だろう。
まだ机上論で上手くいくかわからないが、今日からお試しで新しい刺激を日常に挿入していくことにした。
「慣れ」の到来が数週間以内に訪れるのか、それとも数か月は必要なのか、こればかりは自身の適応力を信じるしかない。